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「へえ、燕ねえ」
「那須、そんな単語知ってた?」
「いや。知らなかった」
授業も開始となり、A組とD組が合同で行う書道の時間、優希は雄登と椅子を並べている。
ちなみに雄登の父親は科学者らしい。
イメージとピッタリすぎる、と言ったら彼は苦笑した。
「それにしても、松井だけじゃなくって、E組の奴とはなかなか仲良くなる機会が無くってさ。全然ダメ」
「エリートだから波長が合わないの?」
「いや、初等科からの奴らは仲良いし、そうでもないと思う。
てか、クラスの決め方、おかしくね?
A組はほぼ理系ってくくりで、まあ良いと思うんだけど。特にC組はな…」
遮るように、書道室のドアが開いた。
「さーせん、遅刻しましたー」
優斗だった。
すでに時計は14時を過ぎていた。
実は今朝も、優斗と優希は7時半に飯田橋駅で顔を合わせていた。
今朝だけではない。
毎朝7時半、十分始業に間に合う時間に彼と会うのに、毎日、彼は必ず遅刻する。
それは10時に来たり今日のように午後からだったりとまちまちだが、兎にも角にも遅刻する。
「ね、優斗って中等科の時からああなの?」
「うん。俺が入った時はもう遅刻魔だった」
G学院の校則は決して緩くないのに。
白い手で墨をする優斗の姿を、優希は見つめた。
.
翌朝、いつものように飯田橋駅ですれ違った優斗の肩を叩く。
「おお、優希じゃん。おっはー」
「…あのさ……毎日、何してるの?」
「何も。サボり」
「それ、本当?」
「本当だよ」
「……じゃあ、一緒にサボってもいい?」
優斗は一瞬考えているようだった。
「…前言撤回。俺、用事あんの」
「用事?」
「………気になるなら、ついて来なよ。
あいつも編入生なら平気だろうし」
「あいつ…?」
来れば分かる、と優斗は歩き出した。
.
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LIKKA(プロフ) - わたがしさん» お返事遅くなり本当に申し訳ありません!ありがとうございます(TT) (2017年8月14日 9時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - これからも頑張ってください!応援してます! (2017年7月24日 22時) (レス) id: 35ef0e40d0 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - わたがしさん» 迷惑なんてとんでもないです。本当に嬉しいです。ありがとうございます!(><) (2017年7月24日 21時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし - 初めまして!すごく感動して、最後辺りでボロ泣きしてしまいました。完結してから読んでいるのでコメント出すのご迷惑かな?と思ったのですが、感動し過ぎて書いてしまいました…。 (2017年7月22日 22時) (レス) id: 35ef0e40d0 (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - しぃかさん» しぃかさん!またコメントくださるなんてとっても嬉しいです(o>ω<o)作間くんわたしも大好きです(TT) 本当にありがとうございました! (2017年5月30日 18時) (レス) id: 101efce4a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:LIKKA | 作成日時:2017年5月6日 20時