ラブソングを君に【nkm】 ページ1
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カチカチ、カチカチと時計の針の音が静かな部屋の中に響き渡る。
カリカリと文字を書いていた音は止み、自分の手に持っていたシャーペンを離した。
「んんー、思いつかない…」
ぽつりと呟いた。
次に歌おうと思っていた新曲の歌詞がどうしても思いつかない。
ずっと唸り声を出していると
「どうしたのA、そんな唸って…悩み事？」
と後ろからひょっこり出てきた私の彼氏、なかむ。
お風呂上がりで髪がとてもつやつやしている。綺麗な髪だな…じゃないや。
「実はね、今歌詞をどうするか悩んでてね…」
「あ〜、そういえば作るって言ってたね」
「ちなみにジャンルは？」と聞いてきてくれたので「ラブソング」と正直に答えた。
私にはとても優しい彼氏がいるし、歌詞はすらすら書けちゃうわ！
なーんて思っていたけれどこんなに書けないことある？！なんて自分でもびっくりするぐらいだ。
「ラブソングか…昔の俺たちとか思い出してみれば？」
楽しそうに笑いかける彼の笑顔にきゅんとする。
「思い出したいんだけどね〜、今が充実しすぎてあんまり思い出せないの」
「そっか…。Aの考える恋とは何か〜とか、歌ってみれば？」
「私が考える…恋？」
「うん」と首を縦に振るなかむ。
「なかむは恋について、どう思う？」
「えっ、俺〜？」
急に言われてもな〜と言いながらも考えてくれるなかむ。
こういう優しい所がすきなんだよな。
「俺は、恋は楽しいことだと思うなあ」
「楽しい？」
「うん。片想いだった時もすっごい楽しかった」
昔のことを思い出しながら話すなかむ。楽しいか……。
楽しい…。楽しい。
放置されていたシャーペンをまた握り、さっきの歌詞の続きをどんどん書いていく。
カリカリ、カリカリと鳴らしながらどんどん歌詞を紙に書いていく。
「出来た！！」
「お〜、お疲れ様」
いつの間にか入れたココアを２つ持って来たなかむがココアを置いた後、頭を優しく撫でてくれた。
「一番最初になかむに聞いて欲しいんだけど…いい？」
「もちろん！聞かせてよ」
優しく笑ったなかむの顔。その顔を見て、またきゅんとする。
「ギター取ってくるね！」
「はーい」
ラブソングなんて作った理由はただ一つ。
君に私の想いを聞いて欲しかったから。
なんて、恥ずかしくて言えないけど…。
歌にのせて綴った想いに気づいて欲しいな。
そう考えながら自分の部屋に置いてあるギターを持ち上げた。
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空羽(プロフ) - ねこ娘さん» 初めまして。私は今回が初めての企画でして不安だらけだったのですが、参加者の方々に助けられながらなんとか完成できたものなので、こうしてコメントで伝えて頂いて本当に嬉しいですし、企画して良かったと心から思いました…。読んで頂きありがとうございました！ (2021年9月3日 15時) (
レス) id: d2cb5de424 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ娘(プロフ) - はじめまして。まず感謝をお伝えしたいです、素敵なお話をありがとうございました…泣 皆様の作り出すお話、メンバーと作者様の個性に溢れていて一筋縄ではいかない展開に終始胸を打たれて唸っていました。タイトル回収も鳥肌立ちました、ごちそうさまでした… (2021年8月31日 9時) (レス) id: 5a39984025 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3人の文字書き | 作成日時：2021年1月16日 10時
