【шτ】幸せの欠片【短編集】 (ページ43)

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死を覚悟して目を瞑った瞬間、大きなボウガンの音が辺りに響いた。

それに驚いて目を開けると、私のもたれかかっていた崖上から、突然の攻撃に怯んだモンスターへ向かって、誰かが操虫棍を持って飛び出していく。

それに続くように、もう一人が大剣を振り上げて飛び出していった。

「怪我、してませんか」

ぽかんとその様子を見ていると、誰かに声をかけられる。

「は、はい」

「じゃ、こっち来てください」

崖を上る彼に続いて上る。

「えっと、応援呼んでるんで、この辺で待っててください」

スラッシュアックスを持った彼はそう言って、戦場へ飛び出して行った。

その直後、弓を背負った背の高い人が私の元へやってきて、近くの街まで送ってくれた。

「あの、」

「ん〜？」

「あの人たちって、ここに戻ってきますか」

「うん、戻ってくるよ〜。そろそろじゃないかな」

彼らが戻ってくるという集会所で、端のベンチに座って待っていると、わいわいと話す声が聞こえた。

「あ、あの」

「えっと、どなたですか」

「バカ、さっき助けた人だよ」

ボウガンを持った一人に問われて、答えようとすると、スラッシュアックスを持った彼がぺしんと頭を叩きながら答えてくれる。

「あ、あぁ。無事で良かったです」

「本当に、ありがとうございました。命の恩人です」

「なかむー、これ、」

その声に、ボウガンを持った彼は振り向く。

しかし、私はその声に唖然とするしかなかった。

「シャー、クん」

「…え、A？なんでここに」