Dangerous Gamble - 橙 青 -

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橙




・


香水や、整髪料の匂いが漂う店内



着飾った男女が行き交う場所だから、当然のこと



與「珍しくやる気ないやん？」




髪や服装を整えながら真司郎が声をかける




西「そう？普通だけど」






…嘘です。



当たり前じゃん

あいつに出逢ってしまったら、どうやって堕とすかそればっかりだ




そもそも、あんな綺麗な奴に会ったら







普通の女じゃ騙し甲斐が無くなる





ごめんな、俺が悪い人なのは、





百も承知だ






店員「指名だよー、西島くんと與くん」



與「ん、にっしー行こ」


西「へいへい。」






ふとよぎる、Aのこと


今、仕事かな



嫌気がさすけど、自分のやる気を出すのには十分




あいつも頑張ってんだから






そうやって気を引き締めて、真司郎の後を歩いた


・








與「こんばんわ〜、與です〜」


西「西島です。こんばんは。」ﾆｺ






作り笑いって、慣れると作り笑いに見えなくなるんだよ



それしか見せないから、それが本当になってしまうんだ





それを逆手に取って、利用してる




女「久しぶり〜！またきちゃった」


與「またきてくれたんね〜。ほんまありがとう！」


西「覚えてるよ〜」






女の人のテンションをあげる材料は、いくらでもある


それを知り尽くしていれば、簡単なもの





與「お酒何にする？俺はね〜、これがすきやで」





指差すのは、あえて一番高いのではなくて、そこそこな値段のお酒


真司郎は、頭の回転も早くて、


賢いから、本当に上手




可愛い顔してよくやるよ





女「じゃあそれにしよっかな！」



西「ありがとうね」





俺は、あんま話さないよ？

話す時は、堕とす時だけ




女「西島さんってクールなんだね？」




ほら、乗ってきた





西「お姉さん綺麗だから恥ずかしいじゃん」






みるみる顔を赤くしていく





ね、堕ちたでしょ







でもね、もうこの行為にも、快感を感じなくなっちゃった







Aのせい






あんなに綺麗で妖艶なお前と



あんな刺激的な賭け、覚えたら病みつきだから






もう、お前しか俺を満たせないのかも



だから、賭けに勝ってみせるよ





それで、俺のモノにしてみせるよ






何をさせようか



束縛しようか







でも、俺だけじゃないね




真司郎の退屈そうな眼で、それを悟った




こんな当たり前な夜を、刺激的にするには




賭けしかない



(( Do you love me? 何度目のNight? ))

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