Be mine … ��

F i f t y. T h r e e. A t a e. ページ10

・






Aは引力でもあるんかな





男も女も惹かれてしまうような、引力が





だから、奪い、奪われ、惑い、惑わし、堕ちて。




同時に、Aにだけ働く、俺の引力




お前は、俺から離れられない



そう繰り返し言うのは、





一種の躾なのかも





愛という歪んだ形の

・









日高と秀太に、Aは堕ちそうな心を支えられた





それでも、



まだ心の中に残る過去の毒牙の傷跡




でも、同じところにまた傷がついただけ






俺が何度でも消毒してやるよ






・






キスした瞬間、Aの瞳に映って居た、




あの人の姿は消えて




俺しか見えなくなったのが分かる





その証拠に、



俺を求める時、君はいつも

俺の胸に手を置く




溢れた雫は、



“ 俺しか見えません ”のサイン




與「…ふふっ



ほら、直ぐ俺に染まった




泣かんといてや、俺がいるで」






優しい台詞で惑わして、Aを癒して


Aの心を掬い上げて




黒い部分も全部俺が

飲み込んでしまうように



額に優しくキスをする





「…ばーか」




與「まだ見栄張るかお前は




生意気すぎや」





少し、からかうようになったのは、“ ありがとう ”の照れ隠し







日高も、秀太も、決して嫌いにならない


俺のことも、Aのことも





余計に堕ちていったはず




だって、俺といる時のAは



1番綺麗だから






・




覚えて居ますか




嘘も、弱さも、過去も、甘えも、悪も




全てどうでも良くなるような



流されて行くような





出会いを







・







與「懲りない奴やな〜





そんな隙あるからされちゃうんやろー」





ふてくされたように言うと、


Aは少し笑って




「でも、さっきは誰かに溺れて居ないと




壊れちゃいそうだった





真司郎が居なくて、2人が居て




2人の優しさに甘えて居なきゃ立ってられなかった



馬鹿


なんでもっと早くこないの」








わかっとるよ



そんなこと







嫌なもんやね




唇が、いつもと違う味がしたのは






一度染まってしまった証拠






それを搔き消すのにはまだ足りない






思ってるんだ





“ ちゃんと無かったことにして




された事も、癒されたことも ”





って




だけど、君はそういう人だから、


堕ちて居ないと立ってられない人だから





與「…もー、可愛いやつ」




悪いとこも、



あまりにも綺麗だから

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