柾哉の権力 ページ3
ｶﾞﾗｯ
柾哉「この時間ほんと人いないんだね」
「なんのために早く来てると思ってるんですか
あいつらがいると絡まれて勉強できないので。」
柾哉「よし！A！勉強教えて！数学！」
「なんでですか」
柾哉「俺がバカだから笑」
あ。
またこの笑顔。
どこか楽しそうで悲しそうなこの表情。
「無理して笑わなくていいですよ」
柾哉「え？」
ーーーーーーーーーーーーーー
「無理して笑わなくていいですよ」
なんで分かるの？
出会ってすぐなのに。
とっさに出た言葉は間抜けに「え？」だけだ。
「さっきからちょっと悲しそうです。」
柾哉「あははっ！
すごいね、Aって。よく気づいたね。」
「相談、、、乗りますよ？」
ーーーーーーーーーーーーーー
「相談、、、乗りますよ？」
え、私今なんて言った？
こんな住む世界が違うただの他人に？
相談に乗ると？
もしかして
若干私の心が開いてきてる？
言いたくないけど少し楽しいと思った。
甘えてくる柾哉くんに私がツッコミ(？)を入れる。
この楽しさはニセモノじゃない。
本物だ。
きっと。
柾哉「え、ほんと！？
優しいね、ほんとに。」
「、、、」
柾哉「A？」
危ない。
私にはわかる。
もう少しで悪夢がやってくる。
ｶﾞﾗｯ
いじめっ子「ちょっと！？あんた誰といるのよ！？」
柾哉「おはよう山田さん。A借りてるよ〜」
いじめっ子２「な、なんで、、？」
柾哉「あ、これからもずっと借りるから？ね。」
いじめっ子「っ、、、、。
行くよ。」
柾哉「多分しばらくは一緒にいたほうがいいかな？」
柾哉「俺がどっか行くときは図書室にいて。本棚でうまく隠れて。
迎えに行くから。あと送る。」
この人はきっとほんとに優しい人。
でも。
無理をしている理由が私だったら？
柾哉「もー話聞いてた？」
「聞いてましたよ。」
そうかぁ〜？
と柾哉くんが頭をかく。
柾哉「教師も教師だよな、絶対気づいてるでしょ笑」
実はいじめっ子の中でも一番権力がある子は超有名会社のご令嬢だ。
逆らえば、同じ会社で働いている私の親に迷惑がかかる。
つまり私は絶対に逆らうことができないのだ。
それでも柾哉くんが声をかければたちまち立場は弱くなる。
柾哉くんすご。
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作者名：MINI牧U^ｪ^U | 作成日時：2022年9月25日 0時
