WZ side 青の部屋 ページ7
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「ウジ今日運動してく？」
「あー俺作業だわ」
「おけ」
自分のソロ曲を大声で歌いながら練習室の電気を消すスニョンを横目で見る。
「Aちゃんって歌どうするの？」
「正直まだ分からん。でもまあ、あいつの出しやすい音域とかは掴めた」
この間Aが歌っていた"ジョンハンなんて嫌い"の歌。
何度か歌ってもらい、声質や出しやすい音域を見極めた。
「じゃ、」
「おー」
作業室の前で別れると、青いライトを点けて椅子にドサッと腰を下ろす。
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「ジフンどこにいるか知ってる〜？」
「多分作業室にいるよ」
コマプタの音源を作っているせいでよく聞こえないが、あの声はAだろう。
「あ、ジフン」
ほら、来た。
「飲み物持ってきたよ」
「どうも。……で？なんでそこに居座ってるわけ？」
「だってここの雰囲気好きなんだもん」
と言ってソファーで丸くなるA。
「寝んな。こっち来い」
「なによー」
「この旋律、歌ってみ」
《 ______僕たちの思い出までも___》
「ん、勿体無い。
もうちょい口開けて」
「うん」
と言ったAは、感覚が掴みにくいのか口の開け方がいまいちさっきと変わっていない。
「ちょっと、触るけど投げ飛ばすなよ」
「あれは事故だって」
笑ったAの口をそのままガッと掴む。
「ひふん(じふん)！！いあい(いたい)！」
「何言ってるか分かんねえから黙っとけ。
このまんまもうちょい開けて」
丁度良いくらいに喉が開き、俺はAの頬から手を離す。
「そのぐらい口開けて歌え」
「顎痛い」
「おん」
「口の開けさせ方が荒い」
「おん」
………声、綺麗だった。
マネヒョンから「Aはボカチだから」と聞かされてから募っていた不安が掻き消えた。
「おいここで寝んなよ」
……返事がない。寝ている。驚異的な速さだふざけんな。
はぁ、困った奴だ本当に。
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作者名：瞳 | 作成日時：2019年4月1日 20時
