Two flowers9

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怖がりなAを1人でお化け屋敷に行かせるなんて

あのヒョンは本当に何を考えてるんだ



早く見つけなきゃ、と慌てる心を落ち着けながら真っ暗な道をひたすら進む



「…いないな」


結構進んだのに姿が見えない

本当にAはここにいるのか？


まさか

実はAは別の場所にいて、誰もいない場所で必死に探しているこれが全て俺へのドッキリなんじゃ




そんなことを疑い始めた頃




「ん？」



骸骨がぶら下がる道の真ん中


髪の長い女の子が膝を抱えて踞っているのが見えた


「A？」


ドッキリじゃなかった

本当にいたんだ


「A、大丈夫か？」

「……」


俺の声が聞こえないのか、応答はない


「A」

「きゃー！！」

「え」

「ごめんなさい、ごめんなさい…お願いですから、助けてください」


迎えに来たことを知らせるため肩に触れたら

耳を塞ぎ俯いた状態で、なぜか謝り始めた


怖いとき咄嗟に謝る人っているよな

その心理とは


自分の行いの所為で悪いことが起こると思ってる？

なんて
そんなことを考えてる場合じゃない


「A、俺だよ。こっち見て」

「……」

「俺の声わかる？」

「…

ウォヌ、？」

「うん」

「ウォヌ」

「うん。ウォヌだよ」

「うぅ…ウォヌ〜
怖かったㅠㅠ」

「おー、よしよし」


一瞬顔を上げたAは
自分の顔を両手で覆い、声を震わせながらそう言った


何気なく頭を撫でると

Aが再び顔を上げ、今度は目が合ったので思わず手を引っ込めた


「ウォヌ」

「ん？」

「オッパが、みんな、スタッフさんたちもみんなが、」

「うん？何言ってんだ」


支離滅裂になっていて

何を伝えたいのかわからない


「落ち着いて話して」

「…みんなが、言ってた」

「何て？」

「ウォヌが拉致されたって」

「あぁ…」


それでAはこんなとこに来たんだったな


「拉致されたの？怖い人がいた？」

「ううん。いないよ」

「本当に？」

「嘘ついてどうするんだよㅎ
大丈夫だよ。何ともない」

「よかった……じゃあ、どうしてスマホの電源が」


"スマホの電源を切ってあの店の陰に隠れてろ"


スンチョリヒョンは俺が拉致された説をリアルにするためにあんなことさせたのか

ほんと、何を考えてるんだか


「スマホの電源のことも拉致の話題を出したのも全部スンチョリヒョンが…」


"お似合いだと思ってるんだよ。お前たちのこと"




あ



そういえば

あの人俺のこと応援してくれてるんだ

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