Two flowers9

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「じゃあ、Aを呼びますね。
また嘘の情報出して演技しますから、皆さんも笑わずに見ててください」

『了解』


純粋にかくれんぼミッションを遂行するAを電話で呼び出すクプス

Aに勘付かれないよう表情管理を徹底するスタッフたち


「オッパ〜」

「ごめんな。行ったり来たりさせて」

「いえいえ、大丈夫です。
それよりどうしたんです？トラブルが起きたって」

「ウォヌが1人でここに入ったらしいんだけど、連絡が取れないんだ」

「ここって……お化け屋敷？」

「かくれんぼミッションでAを探しに行ったんだと思う」

「…私がこんなところに隠れるわけないのに。

それで、どうして連絡が取れないんですか？」

「わかんないんだ。スマホの電源が切れてるらしい。
撮影中だし、単独行動してるなら尚更自分で電源切ったとは思えないんだけど」

「自分じゃなければ誰が…」

『元々充電の残りが少なかったとか？』

『スマホの故障とか』

『誰かに電源を切られたとか』

「誰かに…電源…」

「それって、」

『拉致された？』

「！」

『今日は収録があるって知ってるはずなのに、まさかそんなこと』

『いや、むしろ好都合だと思ったんじゃないか？プライベートで出会う方が難しいだろ』

『じゃあ本当に…』


スタッフの言葉を聞いて

次第に顔色が悪くなるA


「とりあえず、中の様子を見に行ってみます。

A
悪いんだけど、俺1人だと心細いから一緒に」


こうして
クプスがAをお化け屋敷の中へ誘導しようとした

まさにそのとき



「あっ

おい、A！」



クプスもスタッフたちも置き去りにして

Aは1人で走り出した



呆然と立ち尽くすクプス

"市民を助けに行くスーパーヒーローみたいだ"と拍手するスタッフたち



「うわ…本当に入って行った」

『Aさんって怖いのが苦手じゃありませんでした？』

「苦手ですよ。近寄りたくもないはずです」

『それが迷いもせず』

『行くか行かないか悩むこともありませんでしたね』

「Aは本当に優しい子なんですよ。いつも自分のことより周囲の人を優先して。

でも、ウォヌを拉致した犯人がいるかもしれないってのに1人で行くなんて」

『それだけ心配だったということですね』

『さすがのメンバー愛』

「これは 愛、ですよね」


それがどんな種類の愛なのか

クプスが気になるのはAの真意と
これからの2人の関係性


「あとはウォヌに任せよう」

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