Two flowers9

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『まさか、』

『おいおい…待てよ』


カメラを手放した彼女が

ドアへ向かって歩いて行く


『狂ったのか？』

『クソッ』


男性2人も慌てて私から離れ

ここから脱出する方法を探しているらしい


「A！今開けてあげるからね！もう少しだけ待ってて」

『……』

「今、スンチョルオッパがこの部屋の鍵を借りに行ったから。

大丈夫だよ、A
すぐ助けてあげるからね」

「…あ」



なぜかわからないけど


私をこの部屋に閉じ込めた張本人が




カチャン、と

内側から鍵を開けた




「え？何？

なんで開いて…」

『ジス！！』

「うわっ！」


自らドアを開け

ジスに抱きつく後ろ姿


「何よ！あんた誰」

『ジス、嬉しい。私に会いに来てくれたのね？』

「はぁ？

私はAを探して…」


目を丸くしたり露骨に迷惑そうな顔をしたり
表情豊かなジスを見ていたら


安心して


その場に崩れ落ちた



「A…？


え…A、だよね



なんで

服」

『ジス良い匂いだね。香水変えた？』

「ちょっと！あんた離れなさいよ！！」

『今日も収録お疲れさま。差し入れ持って来たから、後でメンバーたちとみんなで食べてね』

「聞いてんの！？離れろって言ってんでしょ！！」

「ちょっとどいてください！ジスヌナ」

「わけわかんないけど、とりあえず鍵は開いたんだな」

「A！無事か！？」


ファンに抱きしめられて動けないジスを押し退けるようにして

メンバーたちが次々と現れた


「……みんな、」

「！」

「A…」

「ヌナ、え…これは、どういう」

「…ごめんね

でも

大丈夫」


写真は撮られてないし

服を脱がされただけで、それ以外は何も変わってない


大丈夫

何も




「っ、」

「大丈夫なんて…

そんなわけないでしょ、A」


駆け寄って来て

ブラウスを私の肩にかけ


思い切り抱きしめてくれたジュニ


「大丈夫じゃないよ」

「……」

「怖かったね。遅くなってごめん」

「…

…ぅ、……うぅっ」


こんなときでも取り繕って笑おうとする

そんな私を救ってくれるのは
いつだって

大事なメンバーたち




「鍵持って来たぞ！…って
は？開いてる？」

「オッパ！助けて」

「ジス？」

「この人どうにかして！全然離れてくれないの！」

「誰なんだよその子。てか、何がどうなって」

「いいから剥がして！早く！！」




遠くで聞こえるジスとスンチョルオッパのやり取り


やっと

私の日常が戻って来た心地がした

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