Two flowers４

熱愛？ ページ44

『A』

「はい、オッパ」

『お前に個人の仕事が入ったんだけど
しばらくの間、ジスには言わないでほしいんだ』

「どうしてですか？」


マネージャーのオッパがこそこそと話すので
私も自然と小声になる


…あれ？

確か、前にもこんなことがあったような



『パクミンギュさん、覚えてるか？』

「はい。前にMVで共演した俳優さんですよね」

『そうそう。今回の仕事もその人と一緒なんだ』

「え？また演技ですか？」

『ううん。今回はファッション誌の撮影』

「あぁ…背も高いし、細身でモデルさんみたいですもんね」


あんな素敵な人の隣に立って大丈夫かな

最近少し太っちゃったからダイエットしないと


『ジスはAの周りにメンバー以外の男が寄るのを極端に嫌がるだろ？
MVのときみたいに騒がれると困るから、撮影が終わるまでは言わないでくれ。頼む！』


両手を合わせて頭を下げるオッパ


「私は構いませんけど…
個人の仕事があるって知ったら、絶対色んなこと聞かれますよ」

『そのときは、1人での撮影だって言えばいい。ファッション誌の撮影はジス無しで1人でやったことあるだろ？』

「…そうですね」


嘘はあんまり得意じゃないけど

オッパが言うように、大騒ぎされては私も困る


「とりあえず、最善を尽くします」

『よろしく頼むよ』







.




.




.







「あれ？A、この日仕事なの？」

「え？あぁ…うん」


私の個人スケジュールが入っていることに気づいたジスは
思った通り、不満そうな顔で私に詰め寄ってきた


「私休みなのになんでAだけ。何の仕事？」

「ファッション誌の撮影って言ってたよ」

「また？前も1人で撮ってたじゃん。今度は私と一緒にやろうよ」

「や…そんなこと言われても」

「Aが仕事に行っちゃうなら私は何をすればいいの？暇すぎて死んじゃう」

「大袈裟だよ。
ゆっくり休んでて？最近忙しかったし疲れてるでしょ」

「疲れてない！」

「ジス、」

「あ！わかった。見学に行こうかな」

「え」

「後ろの方で大人しくしてるから。ね？それならいいでしょ？」

「…ダメだよ。遊びじゃないんだから」

「スタッフさんたちには私が許可取るから大丈夫」

「……」

「私の休みをどう使うかは私の自由だよね」


明るい笑顔で私を見つめる






オッパ、ごめんなさい

私はこの子に勝てないかもしれません

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