Two flowers４

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『A』

「はい、オッパ」

『お前に個人の仕事が入ったんだけど
メンバーたちにはしばらく秘密にしてほしいんだ。特にジスには』

「どうしてですか？」


マネージャーのオッパがこそこそと話すので
私も自然と小声になる


『仕事の内容っていうのが…ちょっとややこしくて』

「？」

『Aにとっては新しい挑戦になるし、これからの仕事に繋がる良い機会だと思う。
ただ……うん。ちょっとな』

「？？」

『ジスどこ行った？』

「トイレです」


キョロキョロと周囲を見回して誰もいないことを確認し、さっきよりも小さな声で話し始めた


『実は
MVに出演することが決まったんだ。ヒロインとして』

「えっ」

『前にゴセでBAD CLUEやっただろ？そのときの演技を見てオファーしてくれたらしい。
"女優デビュー"とも言えるだろうな。おめでとう』

「え…あ…ありがとう、ございます」

『それで
MVの内容がラブストーリーなんだけど』

「……」

『キスシーンがあるんだ』

「へ」

「キスシーン！！？」

『おわっ

ジ、ジス！お前いつの間に』


勢い良く開いたドアの音

突然登場したジス

それを見て驚く私とオッパ


「キスシーンって何！何それ！どういうこと！？」

『お前…立ち聞きしてたのか？』

「オッパがこそこそ話してるから、Aのこと口説いてるのかと思ってたの！」

『はぁ？そんなことするわけないだろ』


オッパが呆れてため息をついても、ジスの勢いは止まらない


「ていうか、何？なんでキスシーンがある仕事なんて受けたの！バカじゃないの！？」

「ちょっ…
ジス！オッパ相手に何てことを」

『いいよ、A。慣れてるから大丈夫』

「…すいません」

『とりあえず、続きは帰ってから話そう。こんなところで大騒ぎしてたらすぐネットニュースになりそうだ』

「そうですね」

「オッパ！！その仕事今すぐ断って！」

『ジス』

「早く断って！早く早く早く！今すぐ！！

私の可愛いAがキスシーンなんてあり得ないから。誰が決めたの？代表？なんでそんなことOKするのよ。本当に意味がわからない。理解出来ない。オファーする方もどうかしてる！いくら美人でスタイル良くて演技まで出来る完璧な人をヒロインにしたいからって、大事なAの唇に触れさせるわけ」

『頼むから静かにしてくれ』

「任せてくださいオッパ」

「んんんんん」



ジスの口を押さえて強引に黙らせ

急いで車に乗り込んだ

3→←KISS

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