７５：彼の世界はいつだって ページ25
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そう と首を縦に振ったジュン先輩は、相変わらず背が高くて。見上げた彼は、どこか楽しそうに笑っていた。
JN『 …目の前には私がいるんだよって、ちゃんと教えてあげなきゃ 』
「 …先輩… 」
JN『 ウォヌはいつまでも、あの子のいる世界にいるわけにはいかないよ。新しいとこに、飛び出さなきゃ 』
その 世界 を、私が作れって言うの…？私に あの子のいる世界 が越えられるの…？疑問はたくさんあるのに、声にならなかった。
JN『 ……その勇気が、あいつにあれば良いのにね 』
いつだって、新たな場所や挑戦には勇気が必要だ。
先輩の微笑みは、どこか悲しそうなものだった。……彼はとても、ウォヌ先輩のことを大事に思っているんだというのが、その表情だけで伝わって来る。
「 ……じゃあ… 」
先輩の大きな手を、ぎゅっと握り返す。
「 …私が、ウォヌ先輩のことを引っ張ってあげなきゃですね 」
見上げた先輩の大きな目が、嬉しそうに細められる。
「 …さっき、先輩が私にしてくれたみたいに 」
JN『 …出来るよ、Aちゃんなら大丈夫 』
「 …………ありがとうございます、先輩のおかげで…なんだか元気が出ました 」
私達の間を、夜の冷たい風が駆け抜けて行く。先ほどまで私の心の中にあった重しが、いつの間にか、取っ払われていた。
JN『 ……Aちゃんは、ほんとうに好きなんだね、ウォヌのことが 』
その先輩の言葉に、私は今度は、自信を持って頷くことが出来た。
「 ……はい、大好きです 」
ずっと、私自身の決断に迷っていた。ほんとにこれで良いのかって。…だけど……私は私なりに、先輩のことを想っていたい。
辛くて、寂しくて、悲しくて。きっと今日みたいに、決断を後悔することは、今後何度だってあるだろう。でもその度に、今日の夜を思い出せたら良いな。
先輩のことを振り向かせることは、出来ないかもしれない。…ううん、振り向かなくて良いんだ。彼にはこれ以上、後ろを見ていてほしくないから。
それでも…こんな私でも、先輩に前を向かせることなら、出来るかもしれない。力になりたいと、そう思った。
友達でいようと提案したのは、私の方だ。だったら、約束はちゃんと守らなきゃ。相変わらず想いを伝える気も、勇気もないけれど……友達として先輩を見守るぐらいなら、私にもさせてほしいんだ。
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何だかすごくたくさんの方に読んでいただいてる気がして嬉しいです…！ありがとうございます！
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アオコ(プロフ) - ハローさん» お返事遅くなってしまいほんとうに申し訳ないです…！コメントありがとうございます！これからもよろしくお願い致します…！！！！ (2020年11月21日 1時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハロー - 続き楽しみにしてます (2020年11月14日 22時) (レス) id: 5db7b589d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2020年10月18日 18時
