６８：届けようとなんてしないから ページ18
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W『 俺も、勝手に自分の感情だけで嫌な態度取ってごめん 』
ウォヌ先輩が謝ることなんて、何一つないというのに。それでも謝らせてしまったことに対する申し訳なさが、じわじわと込み上げてくる。
だけど先輩は、そんな私の様子もわかっているようだった。パッと手を組み替え、今度は私の手首ではなく、……手を握ってきた。
その大きな温もりに包まれたことに驚いて、俯き気味だった顔をバッと上に向ける。少し悪戯っぽい微笑みを浮かべた先輩と、目が合った。
W『 ……早く行こう、腹減った 』
きっと、どれもこれも先輩の優しさなんだろう。
「 ……はい。…私も、お腹空きました 」
そんな先輩の優しさも、今度は私に合わせて歩いてくれる彼のことも、…私の手を包む温かさも、………全てが好きだと、改めて思い知った。
目の前を歩く先輩の大きな背中に、心の中で 好き と唱えた。……伝わらなくて、良いから。
「 ……どう、ですか…？」
テーブルを挟んで向かい側に座り、トンカツを1口食べた先輩に尋ねる。自覚してしまうぐらい、私の聞き方には 恐る恐る という表現がピッタリだった。
W『 ………うん、めちゃくちゃ美味しい 』
そう言った先輩の笑顔は、私の心配を、簡単に杞憂へと変えてくれるものだった。思わずため息と共に出た 良かった… という声には、安堵の色が含まれていた。
W『 やっぱり、本場の味って感じがする。……Aも食べなよ 』
「 …はい…！いただきます…！」
手を合わせ、トンカツを口に運ぶ。……うん、日本の味だ。
韓国に来て、何度こういう日本の味が恋しくなったかわからない。その度にレストランやスーパーとかで日本食を探して食べてみたけれど、やっぱりどこか違う感じがして。
……だから久々に、こういうちゃんとした日本の食べ物を食べて美味しかったのはもちろん、何より、なんだかホッとした。
W『 …良いね。日本ではこの味が毎日食べれるんでしょ？』
よっぽどトンカツの味を気に入ってくれたらしく、先ほどから先輩の食べる手は止まらない。
「 …さすがに毎日トンカツは食べないですけど… 」
ぱくぱくと頬張る姿が可愛らしくて、思わず笑ってしまう。先輩も それはそうかもしれないけど と笑みを浮かべてくれた。
「 …先輩もいつか、日本に来てみたら良いじゃないですか！…トンカツだけじゃなくて、色んな日本の食べ物、私が紹介してあげます…！」
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アオコ(プロフ) - ハローさん» お返事遅くなってしまいほんとうに申し訳ないです…！コメントありがとうございます！これからもよろしくお願い致します…！！！！ (2020年11月21日 1時) (
レス) id: ad766077a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハロー - 続き楽しみにしてます (2020年11月14日 22時) (レス) id: 5db7b589d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオコ | 作成日時：2020年10月18日 18時
