幸か不幸か ページ8
ハニからお説教を食らった後、暗い雰囲気をかき消すように「で、誰が意地悪で失礼な奴って？」と不敵に口角をあげて問い掛けて来るから慌ててデスクに戻った。
嘘をついて騙した事実は変わらないが、秘密がバレて心が軽くなったからなのかそれまで頻発していた小さなミスも終業時刻を迎えるまで一度もなかった。
まだ沈みかけの夕日が眩しい時間、隣を歩くハニが口を開く。
「ヌナって分かりやすいよね。」
「何が？じゃなくてなんでここにハニがいるの。家逆でしょ。」
「ボディーガードだけど？」
「そんな”見れば分かるでしょ？”みたいな視線向けられても分かりません。理解出来ません。」
「危機意識低いヌナが、変な事に巻き込まれないように見守ってるの。分かる？」
「言ってる事は分かるけど理解が出来ない。」
「言葉が通じてるならいいじゃん。」
「暴論か。」
理解の追い付いていない私を置いて、ハニはどんどん歩を進めていく。
ボディーガードとは。
「ねぇ、ボディーガードさん。」
「何？」
「歩くのはや…」
「ん？」
「スニョンくんだ。」
偶然歩いているスニョンくんを発見した。
途端に眉を顰めたハニは私の視線を辿るように顔をそちらへと向ける。
「ねぇ、ハニも喋ってみなよ。いい子だって分かるから。」
「は、なんでそんな事。」
「ほらほら、スニョンくん！！」
渋るハニの腕を掴み、ズルズルと引きずりながら声を掛ける。
振り返ったスニョンくんは一瞬驚いたような表情をしたけれど、直ぐにいつもの笑顔が戻る。
「お久しぶりです！まさかヌナから声掛けてもらえるなんて！」
「へへ、もしかしてと思って見たらやっぱりそうだったからつい。」
「ありがとうございます！仕事帰りですか？」
「そうなの。あ、この人はジョンハン。私の一つ下で、「初めまして。」」
あんなに嫌がっていたのに、言葉を遮ってまで自ら言葉を発したハニ。
だけどスニョンくんを見るその瞳は明らかに好意的な柔らかな物ではなかった。
そんな視線にどんな事を思っただろうか、それでも彼は私と同じ笑顔を向けた。
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のびた(プロフ) - セブチラブさん» 初めまして！コメントありがとうございます。これからも応援して頂けるような素敵な作品を作れるよう頑張りますので宜しくお願い致します！ (2020年4月30日 17時) (
レス) id: 184d072e0e (このIDを非表示/違反報告)
セブチラブ - 面白いです！頑張って下さい！私片想い集まれさんの作品を今気に入ってるんですけどこの作品も気に入りました！これからも応援してます！ (2020年4月29日 8時) (レス) id: 8caba2652c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のびた | 作成日時：2020年4月28日 3時
