私だけが子供 ページ17
「ねぇねぇ、ここなんだけどさ…」
「……」
「おーいヌナ？」
「へっ！？」
「いや、ここの数字合ってるかなって…大丈夫？」
「大丈夫大丈夫、ちょっと見せて？」
「体調悪いなら…」
「ううん、本当に大丈夫。うーんと…うん、これで合ってるよ。」
どれくらいぼんやりとしてしまったのだろうか、ハニに軽く肩を揺らされた事でハッと我に返った。
ただ心配しているだけなのに、反射的に言葉を遮ってしまった。
手元の書類をハニに返すと、遮ったからだろうか何かを言いたげな顔した彼に「こんなの聞いてくるなんて珍しいね。」と笑って気付かないフリをした。
「俺も完璧じゃないよ。」
「そうかそうか。」
完璧じゃないという言葉は、ただ自身の仕事に対する意味だけではないように思えた。
やっぱり以前みたく冗談を言って返せない。
変に気まずい空気が二人の間に流れる。
「ヌナ、この後時間ある？」
「あーごめん、会議の資料作りがまだ終わってなくて…。」
「そっか。」
「急ぎの話？」
「ううん、いつでもいい。」
「ありがとう、ごめんね。」
どんな内容の話をするのか予想は着いていた。
まだ面と向かってあの時の話をする勇気が持てなくて、自分の仕事を盾にして結局避けてしまう。
急ぎの話かどうかなんて聞かなくても分かる。
なのに…。
私は最低な人間だ。
私を気遣って、忘れてと明るく言葉を掛けてくれたのに一方的に避けて逃げて。
まともに目も合わせようとせず、ずっと気を遣わせてしまう。
私なんかよりハニはずっと大人だ。
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のびた(プロフ) - セブチラブさん» 初めまして！コメントありがとうございます。これからも応援して頂けるような素敵な作品を作れるよう頑張りますので宜しくお願い致します！ (2020年4月30日 17時) (
レス) id: 184d072e0e (このIDを非表示/違反報告)
セブチラブ - 面白いです！頑張って下さい！私片想い集まれさんの作品を今気に入ってるんですけどこの作品も気に入りました！これからも応援してます！ (2020年4月29日 8時) (レス) id: 8caba2652c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のびた | 作成日時：2020年4月28日 3時
