嬉しくない伝説 ページ15
少し遅れて昼食をとれば、あっという間に午後の始まり。
この残りの4時間を入社して以来一度たりとも短いと感じた事がない。
それよりも気になるのは斜め前からの視線だ。
ハニの席の方から視線を感じる気がするのだけど顔をあげれば当然だが仕事中で…
これは私の思い込みなのか…?
だとしたら恥ずかしいじゃん……うん、気のせいって事にしよう。
これが普段通りなら「何見てんの?恋?」だなんてふざけて聞けるのに、あの後じゃ冗談が冗談として通じづらいから気のせいだという事にせざるを得ない。
忘れてくれと言われてリセット出来るほど切り替えの早い人間ではないので許してほしい。
…だとしたらこれからなんて言葉を掛ければいいんだ?
挨拶はするとしても雑談なんて変に言葉選びに慎重になってしまう。
考えれば考える程ハニに対して気まずさを感じてしまう。
そんな事ハニが望まないのは分かっているのだが、どうもぎこちなくなってしまう未来が見える。
「手、止まってるー。」
上から降ってきた声にハッと我に返る。そうだ、まだ仕事中だからボーっとしててはいけない。
両肩を掴み前後へ軽く揺らされ、酔いそうになったので最悪の事態を迎える前にストップをかけた。
この同僚、最近やたらと絡んでくる。
「ちょっと考え事してたの。」
「また怒られるよ?」
「アンタも知ってるんかい。」
「むしろこの辺では知らない人はいないと思うけど?」
「伝説みたいに言うな。」
「ある意味伝説じゃね?」
「嬉しくないわ。ひろめないでよねこんなの。」
「じゃあサッサと仕事してください。」
「アンタに言われたくない。」
「はーい。」
何をしに来たのやら、ふらふらと帰っていく姿をちらりと見てため息をつこうとしたが、丁度「幸せが逃げる」と言われたのを思い出して口を閉じた。
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のびた(プロフ) - セブチラブさん» 初めまして!コメントありがとうございます。これからも応援して頂けるような素敵な作品を作れるよう頑張りますので宜しくお願い致します! (2020年4月30日 17時) (レス) id: 184d072e0e (このIDを非表示/違反報告)
セブチラブ - 面白いです!頑張って下さい!私片想い集まれさんの作品を今気に入ってるんですけどこの作品も気に入りました!これからも応援してます! (2020年4月29日 8時) (レス) id: 8caba2652c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のびた | 作成日時:2020年4月28日 3時