こういうつもり ページ14
触れる体温とドクドクと早い鼓動を感じる。
初めて聞かされた想いに何も答えられないのは、私が彼の想いに応えられないから。
腕を回すことも出来ず、だらんと降ろされたままの腕は体が離れるまでユラユラと揺れていた。
「なんて顔してんの。」
ハハ、と笑いながら眉間を人差し指で突いてくる。
「ここ、皺寄ってたよ。」
「ブサイクだって言いたいんでしょ。」
「そんな事思ってないよ。」
「そう。」
「ごめん。」
「気にしてないよ。」
「そうじゃなくて、あの時嘘ついて。」
「あー…大丈夫。」
「大丈夫じゃないのは知ってる。」
「…」
「本当はアイツにめちゃくちゃ言ってやろうと思ってたのに、」
「うん。」
「なんかいい奴そうで、けど俺の方がヌナの事知ってるし、付き合いだって長いのにってモヤモヤしてあんな事言っちゃった。」
「嫉妬…？」
「それハッキリ言わなくちゃダメ？結構ダサいと思うんだけど。」
「だってハニっていつも私の前では余裕そうじゃん。」
「そんな風に見えてたんだ。」
「本当は？」
「さぁ、どうだろうね。」
ニヤリと口角をあげた後、私の肩を持ってくるりと後ろを向かせる。
「残念だけどさっきまでの出来事は全部忘れてください。」
「な、なに急に！？」
「もー、いいから全部忘れろって言ってんの。」
「えぇ…？」
「俺なんかした？」
「いいえ。」
「俺になんか言われた？」
「いいえ。」
「よし、ランチ行ってらっしゃい。」
振り向こうと顔を動かせば、頬をグッと押さえて阻まれる。
顔を見るなという事なのだろうか。
変な所で私は察しがいいんだと思う。
きっと今振り向けば彼は酷い顔をしている。
それを見て私に出来る事は何かあるだろうか。
掛ける言葉はあるだろうか。
きっと私が気にしないように明るく振舞ってくれたんだろう。
ならば気遣いを無下にしないよう言われた通りにこの場を去るべきだ。
「ハニ、ありがとう！」
何がとまで明確には言わないけれど、これだけでも彼になら伝わる気がした。
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「今度は俺がミスしそう…なんてヌナみたいな事は無いか。ははっ…。」
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のびた(プロフ) - セブチラブさん» 初めまして！コメントありがとうございます。これからも応援して頂けるような素敵な作品を作れるよう頑張りますので宜しくお願い致します！ (2020年4月30日 17時) (
レス) id: 184d072e0e (このIDを非表示/違反報告)
セブチラブ - 面白いです！頑張って下さい！私片想い集まれさんの作品を今気に入ってるんですけどこの作品も気に入りました！これからも応援してます！ (2020年4月29日 8時) (レス) id: 8caba2652c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のびた | 作成日時：2020年4月28日 3時
