貴方は誰 ページ2
「えー、では改めまして、」
「いや、改めましてっていうか…」
「好きです!結構前から!」
「すみません、どこかでお会いしましたっけ…」
「いや、初対面です。」
「ダメだ。全く意味が分からない。言語は同じはずなのに何一つ理解が出来ない。」
「返事は急がなくていいので、考えてみてください!」
「待って、こんなに大きな声で呟いてるのに聞こえてないの?」
「あ、これ俺の連絡先です。」
「あぁ、どうも…え、これ受け取っていいの?」
「俺の連絡先なんて安いモンですよ!ヌナになら幾らでもあげちゃいます!」
「いや、遠慮してるんじゃなくて…」
「それじゃあ俺この後予定あるんで!!」
「また!」と知り合いかのように片手をあげて走り去っていく後ろ姿。
大嵐が去り、立ち尽くしたまま何とか落ち着きを取り戻した脳。
冷静に考えてもこの状況が理解出来ないし、ツッコミどころが多すぎて何から考えたらいいのか分からない。
夢かとも思ったけれど、手の中にある紙切れが「あれは正真正銘現実だ」と突き付けてきて逃げ道がなくなる。
この紙どうしようかな。
ていうかポケットから出してそのまま渡してきたけど、あれ仕込んできたの?
じゃあ元々告白するつもりで?けど、あんなタイミングバッチリに遭遇することある?
そういえばヌナとも言ってたな。なんで私が年上だと…私が老けてるの?
え、これもしかしてス…いや、違う。違う違う。
これ以上考えると寝れなくなる。やめだやめ。
と一度は振り払ったものの、あんなドラマや漫画にもそうそう無い展開を忘れられるはずもなく、気付けばあの子の事を考え、悩み、紙切れと携帯を交互に見つめて行ったり来たり…
どうやって夕飯の支度をしたのかも、どうやってベッドに辿り着いたのかも記憶がない位にあの青年に意識を持っていかれたまま一日を終える事となってしまった。
「…にしてもあの子、いい笑顔してたな。キラキラしてて眩しいくらい。」
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のびた(プロフ) - セブチラブさん» 初めまして!コメントありがとうございます。これからも応援して頂けるような素敵な作品を作れるよう頑張りますので宜しくお願い致します! (2020年4月30日 17時) (レス) id: 184d072e0e (このIDを非表示/違反報告)
セブチラブ - 面白いです!頑張って下さい!私片想い集まれさんの作品を今気に入ってるんですけどこの作品も気に入りました!これからも応援してます! (2020年4月29日 8時) (レス) id: 8caba2652c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のびた | 作成日時:2020年4月28日 3時