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全ての曲、全てのパートに、Aは細かく指示を出していった。
一冊のファイルにきちんと纏めて「自分の高音を出せるのは誰か」だとか、「無理なく前に出て行けるのは誰か」だとか。
ご丁寧にいくつかのパターンを記してある箇所もかなり多い。
誰がどう見たって、全てが完璧に収まっていた。
絶えず考えてきた事だったんだろう。
辞めるとオレ達に言う少し前から、個人スケジュールで開いたミョンホの部屋を、Aが借りる頻度が高くなっていたのは知っていた。
だけど、ただ単に一人になりたいだけだと思い込んでいた。
この作業を詰めるためにあの部屋を借りていたんだと、その時になってようやく全員が気付くことになる。
Aが作ったそのファイルを、一番最初に見たのはウジだ。
ボムジュヒョンに後から聞いた話だけど、そのファイルを捲ってすぐ、ウジから「一人にさせてほしい」と頼まれたらしい。
それから丸一日、ウジはそのまま作業室から離れる事はなかった。
A、
お前の言う通り、全ての事は何の問題もないまま、Aが想定していた通り順調に進んでるよ。
Aがいなくてもオレ達は進むのを止めることはないし、Aがいなくても人は順調に流されていく。
周りの反応だって日に日に落ち着きを取り戻していると誰かが言っていた。
オレ達ですら消息不明なんだから、ネットに新しい記事が上がることも少ない。
会社の人に「いつになったらAは戻ってくるんだ」と問い質したところで、帰ってくるのは困ったような顔ばかり。
じゃあ誰に聞けば良いのかと考えて、Aの身元を預かっている理事の人に連絡を取ろうと思いついたのは、わりとすぐの事だった。
結果だけ言うと、自宅に電話を掛けようが家を直接訪ねようが、今でもその人に会う事すら出来ていない。
オレ達の姿は余りにも必死に見えたんだろう。
初めに赴いたのは、ちょうどAのいないカムバを迎える少し前だ。
対応してくれた理事の奥さんは、悲しそうな顔に笑みを浮かべてオレ達に「許してあげてね」と謝ってくるだけだった。
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せの(プロフ) - ありさん» ぜひぜひ！ありがとうございます！頑張ります。 (2019年7月15日 9時) (
レス) id: 350915b2b6 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - お返事ありがとうございます！二次元にあまり詳しくないものである程度予習をしてから読ませて頂きます！ついに最終章といったところですね！頑張って下さい！！ (2019年7月12日 15時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ありさん» ありがとうございます！二次元の方から来たのでご期待に添えるか解りませんがプロフの方にURL張りました。お暇なときにどうぞ (2019年7月10日 19時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 今までに無いタイプのお話にリアルな描写がとても好きです!どんな結末を迎えるのか楽しみにしています(’-’*)因みにせのさんのTwitterやホームページはありませんか？(あまりに好きすぎて他のお話があれば読んでみたいのですが...) (2019年7月10日 14時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - あずささん» ありがとうございます！頑張りますね (2019年7月9日 8時) (レス) id: cda4c47062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月23日 0時
