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「なあA、お前は？」
「……なに？」
「お前はどうなの？辞めたいと思ってる？」
そう問うと、Aが唇を噛む。
ひどく傷ついた顔をしていた。
当たり前だ。
そんな事こいつが思ってるわけがないんだから。
これはオレなりの、精一杯の反抗だった。
すぐにでもAが「辞めたくない」と叫んでくれないかと願ったんだ。
そうすれば手を離さなくて済む。
このくだらない話を「そんな事もあったよな」と、いつか来る未来の為に、笑える昔話として置いておけばいい。
相変わらずウォヌとくだらない話をして、ハニヒョンとバカみたいな喧嘩をして、オレはそれを笑っていたいと思う。
だけど、どうやら失敗だったらしい。
Aはその問いかけに答えてはくれなかった。
「ごめんね、ごめんねスニョン」
「A……」
「泣いちゃだめなのに、同情を引いて話を終わらせたい訳じゃないんだよ」
「……なあ、」
「でもね、どうしても耐えられないんだ」
座るオレを見下ろしたAの瞳から、ぽたぽたと粒になった雫が流れていく。
そのまま床に吸い込まれるか、それともオレの膝に落ちるか。
オレはひどく意地悪な事を言って泣かせてしまったけど、ヒョン達の時は泣いたのかな。
最初から目は赤かったし、きっと泣いたんだろう。
我慢強いAの事だからある程度耐えられただろうけど、多分無理だったんだろうな。
ジュニはあの様子だったから一緒になって泣いたかもしれない。
それとも、心配でそれどころじゃなかったか。
ああ、きっとこれからまたAは残っているメンバーの数だけ泣くんだろう。
「言っておくけど、お前の穴は簡単に埋まらないぞ」
「そう言わせてしまう前に、オレは辞めるべきだったんだよ」
Aがまた大粒の涙を零しながら、オレの目尻を指で拭う。
そこでようやくオレは、自分が泣いているという事に気が付いた。
ぼんやりとしていた視界は、涙が流れたおかげで幾分か鮮明になる。
カーテンの隙間から射した光が、オレ達の間を横切り、一本の線を走らせた。
今この瞬間を閉じ込めて消してしまえるなら、オレはなんだって捧げられるのに。
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せの(プロフ) - ありさん» ぜひぜひ！ありがとうございます！頑張ります。 (2019年7月15日 9時) (
レス) id: 350915b2b6 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - お返事ありがとうございます！二次元にあまり詳しくないものである程度予習をしてから読ませて頂きます！ついに最終章といったところですね！頑張って下さい！！ (2019年7月12日 15時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ありさん» ありがとうございます！二次元の方から来たのでご期待に添えるか解りませんがプロフの方にURL張りました。お暇なときにどうぞ (2019年7月10日 19時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 今までに無いタイプのお話にリアルな描写がとても好きです!どんな結末を迎えるのか楽しみにしています(’-’*)因みにせのさんのTwitterやホームページはありませんか？(あまりに好きすぎて他のお話があれば読んでみたいのですが...) (2019年7月10日 14時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - あずささん» ありがとうございます！頑張りますね (2019年7月9日 8時) (レス) id: cda4c47062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月23日 0時
