男装生活とその日常について ５

スンチョルと背中 ページ28

スンチョル視点





Aが背中を痛めたと聞いたのは夜遅くなってからのことだった。



三人部屋の扉が、それはそれは大きな音を立てて荒く開いた。



張本人であるホシが、部屋の中をぐるりと見渡して不機嫌そうに溜息を吐き出す。

完全に怒っている顔を見るのは久しぶりで、異変に気付いたウォヌが「どうした」と立ち上がった。



この時オレはちょうどゲームの休憩中で、ウォヌはベッドの上で本を読んでいたんだっけ。


Aは作業室で、そういえばその日Aの顔を見ていなかった。



そう伝えるとホシの目がまた少し釣り上がる。





「Aが知らない間に背中と肩やって、誰にも言わずに無理して悪化させたって。マネヒョンが『手が上がらないらしい』って」





そう言って、ホシが口を曲げた。

昨日の昼から深夜にかけて全体の振り合わせが入っていたけど、Aは何も言わなかった。



オレもホシも、誰も気付かなかった。
いや、Aが気付かせなかったというのが正しいんだろう。





最近になってとうとう不摂生が祟ったらしい。


Aが、身体のいろいろな箇所を痛める事が多くなった。

そしてそれが、この悪夢の始まりだったんだと思う。


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