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窓際のテーブルからは街並みがよく見えた。
行き交う人々はどの街よりも多種多様で、さすが人種のるつぼだと言える。
ここでなら只の自分になれる気がした。
酔い覚ましのコーヒーに砂糖を入れてかき混ぜる。
立ち込めた匂いを嗅ぐと、何故か頭がくらっと回った。
「こうやって、誰の目も気にしないで朝ごはん食べるの久しぶりかも」
「あっちに帰ったら100％無理だしな」
「うん」
窓の外を眺めながら、Aがサンドイッチを齧る。
半袖だと肌寒い気温ではあるけど、今日は天気がいい。
テラス席にだってちらほら客が座っていた。
コーヒーを一口啜り、Aに「オレも食いたい」と言えばサンドイッチを差し出してくる。
Aの齧った後に追従して一口貰ったけど、入っているはずのハムまで辿り着かない。詐欺じゃないか。
眉間に皺を寄せてピンク色が見えているサンドイッチの腹に大きく噛り付くと、向かい側からAの笑う声が聞こえてきた。
「お腹空いてるならジフナも頼んだらよかったのに」
「お前が持ってるとうまそうに見えるのが悪いんだろ」
「オレのせいなの？」
「お前のせいだよ」
だらだらと、ああでもないとかこうでもないとか言いながらAと無駄な話をするのは嫌いじゃない。
元々気が合うし、話していて楽しいと思うのはいつもの事だけど、酔っているからこそ普段思わないような事を思ってしまうのか。
それとも、人目もはばからず優雅に朝飯を食ってるからだろうか。
オレはいつもよりずっと饒舌になってしまうし、Aだっていつもよりずっと聞き上手だ。
コーヒーはとっくに冷めてしまって、Aのオレンジジュースは氷が解けて薄い色のグラデーションをグラスの中に作り出している。
「Aこの後どうすんの」
「誰か捕まえて買い物でもしようかな……結局フライトは明日の朝なんでしょ？」
「その時間しか取れなかったらしいけど、オレ達にはラッキーだったな」
「もう三日くらいここに居てもいいけど」
「オレは予定通りで充分、作業室に戻ってやることが山積み」
「ジフナは相変わらずだね」
「どうせAもじゃん」
そう言って立ち上がり、トレーを手に持つ。
「行くぞ、買いもしない買い物に」
「ジフナが一緒に……？」
「オレじゃ不服なのかよ」
「いや、いつもホテルに引きこもってるじゃん」
「うるせー」
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せの(プロフ) - ありさん» ぜひぜひ！ありがとうございます！頑張ります。 (2019年7月15日 9時) (
レス) id: 350915b2b6 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - お返事ありがとうございます！二次元にあまり詳しくないものである程度予習をしてから読ませて頂きます！ついに最終章といったところですね！頑張って下さい！！ (2019年7月12日 15時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ありさん» ありがとうございます！二次元の方から来たのでご期待に添えるか解りませんがプロフの方にURL張りました。お暇なときにどうぞ (2019年7月10日 19時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 今までに無いタイプのお話にリアルな描写がとても好きです!どんな結末を迎えるのか楽しみにしています(’-’*)因みにせのさんのTwitterやホームページはありませんか？(あまりに好きすぎて他のお話があれば読んでみたいのですが...) (2019年7月10日 14時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - あずささん» ありがとうございます！頑張りますね (2019年7月9日 8時) (レス) id: cda4c47062 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月23日 0時
