ウジと朝ごはん ページ13
.
ワールドツアーも無事に終わって、最後に行われた打ち上げは過去最高潮に盛り上がってしまった。
人の目を気にして、飛行機を乗り継ぐ中継地点でわざわざ日程を確保したのが功を奏したらしい。
盛り上がるまま盛り上がって、とうとう夜が明けても宴が続いてしまったのは危険だった。
これって誰の責任にしたらいいんだろう。
ニコニコしながら酒を煽っていたスンチョリヒョンだろうか、それに同調して羽目を外した会社の人間たちだろうか、それとも止めずに乗ったオレ達だろうか。
オレですら多少飲んだのに、隣にいるAだけは一滴もアルコールを飲まなかったようだ。
至る所から現れる酒瓶を撥ね退けながら、酔いが回った連中の相手に勤しんでいた。
笑いが止まらないやつもいれば、泣き出すやつもいたし、微動だにしなくなるやつだっていた。
ああ、そうだ。
ハニヒョンなんか一人で怒ってたな。
Aに向かってキレてはいたけど、結局何にキレていたのかすら解らない支離滅裂具合だった。
キレると言っても口調だけで、何故か感謝の言葉をまくし立てながら去っていくから、空虚な顔をするAを放ってシュアヒョンが引くほど笑っていた。
結局、こういうのって雰囲気だ。
流れに呑まれて、酒に口を付けてしまったのはしょうがないと解ってる。
やっぱり体質が合わないのか、すぐに身体が真っ赤になったことは少しだけ残念に思えてしまったけど。
夜が明けても宴は場所を変えて行われ、目を擦るジュニとウォヌがホシを引き摺ってホテルへ戻っていくのをAと見送った。
死屍累々だ。
屍を拾って帰ったウォヌ達みたいなのもいれば、「次行くか〜」と引率するスンチョリヒョンみたいなのもいる。
「ヒョン、ここがいいよ」と店を見繕うミンギュもいたし、寝てはいられないと落ちかけていた目を見開いたスングァニもいた。
「行くぞ〜」「わ〜」と上がるいくつかの拳を見送りながら、Aがそのちょっとした地獄絵図に「化け物だらけだな」と呟いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1551人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せの(プロフ) - ありさん» ぜひぜひ！ありがとうございます！頑張ります。 (2019年7月15日 9時) (
レス) id: 350915b2b6 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - お返事ありがとうございます！二次元にあまり詳しくないものである程度予習をしてから読ませて頂きます！ついに最終章といったところですね！頑張って下さい！！ (2019年7月12日 15時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ありさん» ありがとうございます！二次元の方から来たのでご期待に添えるか解りませんがプロフの方にURL張りました。お暇なときにどうぞ (2019年7月10日 19時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 今までに無いタイプのお話にリアルな描写がとても好きです!どんな結末を迎えるのか楽しみにしています(’-’*)因みにせのさんのTwitterやホームページはありませんか？(あまりに好きすぎて他のお話があれば読んでみたいのですが...) (2019年7月10日 14時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - あずささん» ありがとうございます！頑張りますね (2019年7月9日 8時) (レス) id: cda4c47062 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2019年6月23日 0時
