検索窓
今日:13 hit、昨日:111 hit、合計:684,854 hit

ページ6

.





「じゃあ……好きなやつがたくさんいるのも、一緒にいたいと思う人もいないのか。それはそれで寂しいヤツだな」

「ああ、それは本当」

「えっ」

「恋とはまた別物なんだけど……大切にしたいし、幸せになってほしいと思ってる人はいるよ」

「そういう感情を世間一般では恋だって言うんじゃないのか……少なくともオレはそう思ってるけど?」

「違うって、それだとさすがに気が多すぎる」

「今ちょっと不穏な言葉が聞こえて……」

「正確な人数は言えないけど、そう思う異性が十人以上存在してる」

「A……」

「だからそういう好きじゃないんだって、こればっかりはなんて言ったらいいか」





お前の近くに存在する女が何人いると言うんだ。せいぜい片手で数えられる程だろ。



もしかして近所のコンビニ店員でもカウントしているのだろうか。

いや、あそこにはいつも中年のおじさんしかいない。





「良いけど……真剣に付き合うなら一人にしておけよ。あと絶対に撮られるな」

「それはないと思う、誰ともそういう関係にはならないだろうし」

「どうしてそう言い切れるんだ。オレが女なら今頃とっくに力ずくでお前の彼女になってるよ」

「スンチョルが……女の子……」

「おいやめろ、想像するな」

「自分から言い出したくせに?」

「いちいち言葉通りに受け取るなよ!」





Aが楽しそうな顔をして「スンチョルが女の子だったら一緒に遊びに行きたかったな」と笑う。

一瞬だけその光景が頭に過ぎったけど、あまりにも恐ろしくて目を閉じた。



だとしたらAが女の方がまだ何十倍もマシだ。

絵面もまだ良い。想像も難なく出来るし、よっぽどしっくりくる。


……いや、それはそれでどうかと思うけど。





「なんにせよ、オレがオレである限りスキャンダルは絶対に起きないから安心してほしい」





一呼吸置いたAがそう言って、オレの肩を労うように二度叩いた。

眉間の皺を指で押しながら考える。


.

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (821 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1552人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , 男装
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

せの(プロフ) - ありさん» ぜひぜひ!ありがとうございます!頑張ります。 (2019年7月15日 9時) (レス) id: 350915b2b6 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - お返事ありがとうございます!二次元にあまり詳しくないものである程度予習をしてから読ませて頂きます!ついに最終章といったところですね!頑張って下さい!! (2019年7月12日 15時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ありさん» ありがとうございます!二次元の方から来たのでご期待に添えるか解りませんがプロフの方にURL張りました。お暇なときにどうぞ (2019年7月10日 19時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - 今までに無いタイプのお話にリアルな描写がとても好きです!どんな結末を迎えるのか楽しみにしています(’-’*)因みにせのさんのTwitterやホームページはありませんか?(あまりに好きすぎて他のお話があれば読んでみたいのですが...) (2019年7月10日 14時) (レス) id: ab6122f7a0 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - あずささん» ありがとうございます!頑張りますね (2019年7月9日 8時) (レス) id: cda4c47062 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:せの | 作成日時:2019年6月23日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。