５ ページ16
.
ミンギュがAヒョンの言葉を待っている様子を見て、途端に一連の流れに頭の中で説明がついた。
要はミンギュ「Aヒョンから自分を求められたい」一心で、思っても無い事を言ってしまっているんだろう。
他の誰よりも自分を選んでほしくて、それを言葉にしてほしくて、果敢にもAヒョン相手に駆け引きをしようとしたんだ。
おそらく、ミンギュはいつもみたいにじゃれあうような押し問答を続けて、最終的に「やっぱりヒョンはオレ達がいないとだめだな〜あはは」みたいな茶番に持って行こうとしたはず。
だって、Aヒョンが今から新しい人間関係を開拓するところを想像できない。
何よりヒョン自身がそんなの必要としていない事だってミンギュも充分承知しているからだ。
それなのにどうだ。
ヒョンはまるで雷に打たれたような表情をしている。
どこの琴線に触れたのかは知らないけれど、ミンギュとは違う方向に思考が回ったことだけは理解できた。
＿「依存……」
MG「そう！」
MH「ヒョン、あのね、これは、」
＿「……ミンギュ、そうかもしれないね」
MG「Aヒョン……？」
心の中で舌打ちをすると、Aヒョンがミンギュをじっと見上げた。
ヒョンの小さい頷きは、どこか決意に満ちていた。
ああ、ミンギュなんてことを……
嫌な予感ってどうしてこんなに的中するんだろうなぁ。
お願いだからそんな決意は捨ててくれと願ったけど、どうやらオレの願いは叶わなかったらしい。
＿「わかった。オレ、メンバー断ちするよ」
MG「えっ！？」
MH「ああ、もう……」
＿「ミンギュ、心配かけてごめんね。お前の言う通りちゃんと友達作ってみせるから」
ポンポンとミンギュの肩を叩いてAヒョンが小走りで廊下を駆けていく。
おおきな口を開いて目を丸くしたミンギュを見ると、オレの口からは勝手に溜息が出ていった。
「ミンギュ。お前がAヒョンをそそのかしたんだから、お前がどうにかしろよ」
「どうって……どうしよう……」
「オレは知らない」
「……いや、大丈夫でしょ。Aヒョンのことだしそんな簡単にうまくいかないって……いかないよね……？」
「なんかあったら全部お前のせいにするからな」
「ミョ、ミョンホ……」
オレの名前を呼んでぴしりと固まるミンギュを置いて、もう見えないAヒョンを追いかけるように歩き始めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1511人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せの(プロフ) - 奈子さん» ありがとうございます！ (2019年6月23日 0時) (
レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - いつきさん» ありがとうございます！ページの都合で一旦消したのですが、先程再投稿しました。お時間があるときにでも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
奈子 - 評価一個じゃ足りないです、、！！！すごく大好きな作品です！！ (2019年6月22日 18時) (レス) id: a598e2ddc7 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - この小説の雰囲気がとても好きで、投稿されるのを楽しみに待っています。突然なのですが、今日出した続編は削除されてしまったのですか？スンチョルさんとの話はとても面白かったので少し残念です…これからも頑張って下さい！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - kinosuke20さん» 評価もコメントもありがとうございました。がんばります！ (2019年6月22日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せの
| 作成日時：2019年6月6日 10時
