ディノと温かいココア２杯 ページ1
ディノ視点
まれに、本当にまれに、Aヒョンからカトクが届くことは前々からあったけど、最近はほんの少しだけ(本当に少し)その頻度が増えた。
『みんなもう部屋にいる？』
その一文は基本的に深夜に届く。
たまに僕が寝ていてスルーしてしまう事もあるけど、その時はどうしているんだろう。
足音を立てずにこっそり移動するAヒョンが頭に浮かんだ。
それはそれで面白いから、今度は返事をせずにリビングで待っているのもいいかもしれない。
片手にスマホを持ったまま、眠るスングァニヒョンを起こさないように部屋を出た。
廊下を進んでそれぞれの部屋の前を通っていく。
部屋の外からでも中の空気はなんとなくわかるものだ。
ハニヒョンの部屋からは物音も明かりも無い。
反対に、ホシヒョンとバノニヒョンの部屋からは小さく音楽が聞こえてくる。
扉の隙間から漏れた光が、暗い廊下に線を一本走らせているけれど、二人とも起きているかどうかは解らないな。
だって、朝までこのまま爆睡しているところは何回も遭遇しているし。
たどり着いたリビングは真っ暗だった。
カチリとスイッチを押すとパッと明るくなり、一瞬だけ目がくらりと回る。
強めの瞬きを何度か繰り返した後に、そのままになっていたトーク画面に返事を打ち込んだ。
『大丈夫ですよ』
そう送って数秒、玄関から小さく扉を開ける音が聞こえてくる。
足早に、でも静かに向かえば、パジャマ姿のAヒョンが「こんばんは」と僕に手を振った。
「ありがとうディノ、起こしちゃった？」
「最初から起きてましたよ。今日もミョンホヒョンの部屋にお泊り？」
「そう、帰ってきたらご飯を奢る約束で」
「また？」
「まただよ。ディノも行く？」
「もちろん」
ミョンホヒョンが不在の時、Aヒョンがその一人部屋を借りに来るかもしれないと、僕が聞いたのは部屋の持ち主であるミョンホヒョンからだった。
それから数日後。
ヒョンが宿舎を開けたとき、Aヒョンは本当にこちらに泊まりに来た。
その時ホシヒョン達に見つかり大騒ぎになったらしく、今はこうやってこそこそとやって来る。
ミョンホヒョンが僕に「Aヒョンはたまに不摂生なるんだもん、しょうがない人だよね」と愚痴をこぼしていたのを思い出す。
言葉の割りに嬉しそうな顔をしていたのは見なかったことにしておいた。
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せの(プロフ) - 奈子さん» ありがとうございます！ (2019年6月23日 0時) (
レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - いつきさん» ありがとうございます！ページの都合で一旦消したのですが、先程再投稿しました。お時間があるときにでも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
奈子 - 評価一個じゃ足りないです、、！！！すごく大好きな作品です！！ (2019年6月22日 18時) (レス) id: a598e2ddc7 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - この小説の雰囲気がとても好きで、投稿されるのを楽しみに待っています。突然なのですが、今日出した続編は削除されてしまったのですか？スンチョルさんとの話はとても面白かったので少し残念です…これからも頑張って下さい！ (2019年6月22日 15時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - kinosuke20さん» 評価もコメントもありがとうございました。がんばります！ (2019年6月22日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：せの
| 作成日時：2019年6月6日 10時
