ジョシュアとRPG ページ24
ジョシュア視点
明日に控えたコンサートのリハーサルも終わり、みんなが思い思いに楽屋へ戻っていくのに、Aだけは舞台袖に残ってモニターを見つめていた。
画面の中にはさっきまでリハーサルしていた僕達の姿が映る。
衣装じゃなくて練習着だから、少し間が抜けているように見えるのはしょうがないのかな。
「A、どうかしたの?」
そう横顔に呼びかけると一度だけこちらを向いて、またモニターに目を戻した。
「いや、おもしろくて」
「もう何十回も確認してるのに?」
「何十回見ても新しいものを発見したりするから」
「へえ、じゃあ今回は何を見つけたの?」
「今それを探してるところ」
そう笑うAを眺めながら、自分のこめかみから落ちてきた汗をタオルで拭う。
「ステージに立っていられるのは四時間まで、それ以上は無理」とAは常々言っているけど、今日はリハーサルだけだったからまだ大丈夫みたい。
いつもだったら立ち上がることさえ出来なくなる。
録画されていた画面の中のAも、いつもよりは動きがまともだ。
五分ほど何も言わずに見ていると、Aがおもむろに口を開いた。
「スニョンってさ、」
「うん」
「スニョンって主人公みたい」
「そう?」
「うちのグループって明確にセンターがいるわけじゃないけど、物語の中心にスニョンが立ってると思う時があるんだよね」
Aがトントンとモニターのホシを小突く。
なんとなく言いたいことが解るような気がして静かに頷いた。
「前にスニョンがコンサートで『このまま死にたい』って言った事があったでしょ?」
「あったね、そんなこと」
「あの時、同じことを思ってたんだ。オレが言うと洒落にもならないから言わなかったけど」
「……ステージの上で死にたいって?」
「うん、だとしたら幸せだろうなって」
少しだけ重くなりそうな空気をAが笑って誤魔化す。
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せの(プロフ) - 奈子さん» ありがとうございます! (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - いつきさん» ありがとうございます!ページの都合で一旦消したのですが、先程再投稿しました。お時間があるときにでも楽しんでいただけると嬉しいです。 (2019年6月23日 0時) (レス) id: 73addbec04 (このIDを非表示/違反報告)
奈子 - 評価一個じゃ足りないです、、!!!すごく大好きな作品です!! (2019年6月22日 18時) (レス) id: a598e2ddc7 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - この小説の雰囲気がとても好きで、投稿されるのを楽しみに待っています。突然なのですが、今日出した続編は削除されてしまったのですか?スンチョルさんとの話はとても面白かったので少し残念です…これからも頑張って下さい! (2019年6月22日 15時) (レス) id: 317f2047c2 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - kinosuke20さん» 評価もコメントもありがとうございました。がんばります! (2019年6月22日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年6月6日 10時