男装生活とその日常について３ (ページ40)

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スンチョルと事件ページ40

スンチョル視点

「あれ？ジュナ、Aと一緒じゃなかったの？」

ジョンハナの声が静かな控室に響く。

音楽番組の収録でテレビ局に来ているオレ達は、過密スケジュール真っ只中の状況だと、死んだように控室で眠っていることが多い。

ちなみに今がそうで、周りを見渡すと起きているのはハニとオレだけ。

ジュニが扉を閉めた音に、ソファで寝ていたホシが小さく唸って毛布を手繰り寄せた。

しーっと唇に人差し指を付けると、ジュニが慌てて口元を押さえて小声で話す。

JN「A、前に楽曲提供した会社の？偉い人？プロデューサー？……が、Aのこと呼んでるから来てって言われて」

JH「誰だか解らないの？」

JN「うん。呼んでる人の名前、Aの知ってる人だったみたい。仕事の話だから先に戻っててほしいって」

JH「ふ～ん」

SC「あいつ一人で戻ってこれんのかな」

JN「やっぱ一緒にいてあげた方が良かった……？」

JH「Aもそこまで方向音痴じゃないと思うけど」

ソファに座るハニが、開いていた隣の場所をトントンと叩きながら「ジュニも少し寝ておいた方がいいよ」と声を掛ける。

Aと二人で出て行った時は「眠くない！」とかなんとか言ってたくせに、ハニからそう言われるとジュニは大きく欠伸を見せた。

SC「また仕事が増えそうだな、A」

JH「身体壊さないように気を付けて見とかないと」

JN「んー……それにしても、」

JH「なに？」

ハニの隣に座って肩まで毛布を掛けたジュニが、少しだけ考えるように天井を見上げる。

最近、ジュンはAにべったりだ。
かと言ってAも嫌がる様子はなく、むしろ嬉しそうにしていた。

まあそもそもくっつかれて嫌な顔をするタイプではないけど。

いつもこういう場所でAが外を出歩くとき、着いて回るのは大抵ミンギュだったし、ジュニは元々あまり動き回るタイプじゃない。

それなのに、それすら買って出るものだから、ミンギュも不思議そうな顔をしていた。

JN「Aを連れてった人……」

SC「何だよ、お前の知ってる人か？」

JN「ううん、知らないけど」

JH「どうかした？」

ジュニが考えこむように「うーん」と唸りだすから、ハニと目を合わせながら首を傾げる。

「やっぱりなんでもない、ヒョン達もおやすみ」と目を閉じて数秒、規則正しい吐息が聞こえてきた。

寝るの早すぎるだろ。

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