男装生活とその日常について３ (ページ33)

今日:32 hit、昨日:99 hit、合計:702,202 hit

バーノンと夜食ページ33

バーノン視点

ホシヒョンと同じ部屋になってからけっこう時間が経ったけど、はっきり言ってかなり楽だ。

まず服を買っても怒られない。
ホシヒョンも買うから。

多少散らかしても目をつむってくれる。
ホシヒョンも散らかすから。

それになにより静かでいい。

ヒョンって、部屋に居る時はかなり落ち着いている。

本人も「カメラ前かステージはテンションが上がる」と言っていたけど、カメラも無いステージ外の自室だと驚くほどに静かだ。

オレもそこまで喋る方ではないし、そんなオレに話しかけてくることも少ない。

会話は必要最低限だ。
もちろん仲が悪い訳ではないから、沈黙も苦にならない。

まあオレは沈黙を苦だと思ったことは無いけど、スングァニがたまにそう言ったりもするから……

その代わりと言ってはなんだけど、音楽だけは常にかかっている。

多分、年の近い男兄弟ってきっとこんな感じなんだろうな。

同じ兄貴分(兄と思ったことは無いけど)のAだってホシヒョンと同じ年なのに、どちらかと言えばオレの事を庇護対象とみている節がある。

ホシヒョンにはそれがない。

どっちが良いかと言われればどっちも良い。
どっちも楽で、どっちも最高。

「おっ……なあ、バノニ」

そのホシヒョンが、ベッドに寝転びながらオレに声を掛けた。

少しだけ楽しそうに口元を緩めたヒョンは、スマホに向かっていた視線をオレに投げる。

「A、今からこっちに来るらしいぞ」

「なんで？もう夜も遅いのに」

そう言って時計を見ると、針はホシヒョンの目を一時間と少し回った11時15分を指している。

Aがこちらに来るときは何か用事がある時だ。

オレの衣替えを手伝ってくれる時、シュアヒョンと話しこむ時、ミョンホヒョン主催のおしゃれな会合に招かれた時。

うーん、あとは何があったっけ。
まあ、だいたいそんな感じ。

あんまり来ないし音信不通が常だから、用事がある時はオレ達がAのところに出向く事が多い。

それが何故、こんな遅くなってから？

なんとなく把握してる作業期間外のタイムスケジュールからすれば、もうそろそろ寝ていてもおかしくない時間だ。

.