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ベッドから立ち上がり、クローゼットからジャケットを取り出して羽織る。
 


差し入れはいるだろうか、いらないかな。

連れ出せるならご飯でも一緒に食べに出かけたら良い。





「それにしてもなんで僕なの?そんなに暇そうに見えたかなぁ」

「暇だったんじゃないの?」

「大正解……」

「はは、冗談だよ。状況を考えてジュニが適任だと思ってね」

「僕が?」

「うん。スンチョルはAに弱いし、ジョンハナは現状を悪化させるだろ?ジュニ以外の同い年達はいまいちだし、今回は年下だと論外かなって」





ろ、論外……

ヒョンは相変わらず感覚が直球だなぁと、半ば感心していると、シュアヒョンが「それにね」と僕へにこりと笑いかけた。





「いつだったか、ミョンホが『本当に辛いことはジュンに聞いてもらう』って言ったことがあったでしょ?」

「うん」

「Aがそれを聞いて『オレもそうしようかな』って言ったのを思い出したんだ」

「……Aが?」

「そうだよ、だからそうした方がいいのかなって」

「……ヒョン、」

「どうしたの、ジュニ」





首を傾げるシュアヒョンに、喉まで来ていた言葉が出ていきそうになる。


ミンハオがオレをそうやって慕ってくれているように、Aはあなたを慕っているのでは?


そう言いかけて、やっぱりやめた。


そんな事シュアヒョンだって知っている。

知っていて、わざわざ僕にAを託したって事は何か意味があるんだろう。


あまり考えていてもキリがない。





「言ってくるね」とシュアヒョンを通り過ぎ、ドアノブに手を掛けようとすれば、真横から声がする。





「ジュニ、お礼に良いことを教えてあげようか?」

「良いこと?」

「うん」

「なに?」

「小さい頃のA、ジュニに似てたみたい」

「……僕に?」

「うん」

「顔が?」

「ん〜……顔立ちの系統的にそれは違うと思うけど」

「じゃあどういうところが?」

「さあ?僕も詳しくは知らないんだけど、そうなんだって」





くすくすと笑いながらシュアヒョンが僕を遮って扉を開ける。

相変わらず読めない人だなと思いながら、シュアヒョンの背中に続いて部屋を出た。


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せの(プロフ) - ちょんちょんささん» ありがとうございます! (2019年6月6日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
ちょんちょんさ(プロフ) - このお話がとても大好きです!!続編も楽しみにしてます^ ^ (2019年6月4日 11時) (レス) id: bf015467db (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - うゆさん» ありがとうございます! (2019年6月3日 10時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)
うゆ(プロフ) - 更新ありがとうございます!毎話毎話、素敵すぎて心がぎゅーっとなります( ; ; )そのままずっといっしょに幸せに暮らしてくれーーーーー( ;∀;) (2019年6月1日 15時) (レス) id: 81aa380229 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます! (2019年5月31日 16時) (レス) id: ce3e37b412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:せの | 作成日時:2019年5月20日 10時

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