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部屋に戻るとどこからやってきたのか、ホシヒョンが呆然と立ち尽くしていた。
手を振るとホシヒョンが振り返してくれる。
数秒後「ハッ!」と目を開けて、Aに向かって口を開く。
「オレがいない間にいつの間にか部屋がきれいになってる!」
「スニョン、服買いすぎだよ」
「オレだけじゃないぞ、ボノニもだろ」
「なんでハンソラとスニョンが同じ部屋になっちゃったんだろうねえ」
「そういう運命だったんだから仕方ないじゃん」
「せめて相部屋の相手がオレかシュアなら、プラスマイナスゼロでちょうど良かったのに」
「……部屋替えする?」
「嫌だよ、オレは今ウォヌのジャージで生活してるんだから」
「オレ達だってジャージの一つや二つ持ってるぞ。な、ボノニ」
ホシヒョンの言葉に頷くけど、Aは面白そうにヒョンを笑うだけだ。
「それで、オレは今日どこで寝れば良いんだ?」
ホシヒョンのベッドに積み上げられた服たちを思い出して視線を向けると、ついに服で出来た山が崩落した。
一部が床に落ちていくのを見届けて、Aが「床で寝れば?」と無関心に言い放つ。
「ずるいだろ、バノニだけ贔屓するのは。オレのこれはどうすんだ」
「そんな事言っても手伝わないよ」
「ちぇっ」
「ハンガー掛けるだけじゃん、スニョンも頑張って」
「それをバノニにも言ってみろよ!」
「バカだな〜、オレがこの子にそんな事言えるわけないだろ」
「お前年下に対して贔屓が露骨すぎないか?一応オレだってAより後に生まれてるんだけど?」
「でもスニョンは同い年じゃん」
そうやってAがホシヒョンをあしらう。
ぶすっと口を曲げたヒョンがクローゼットの中をごそごそ漁り、大きな紙袋を無愛想にAへ手渡した。
「オレはお前に服買ってやったのに、しかもお揃いだぞ」
「スニョン、またサイズ間違えたの?」
「服ってすごいよな、数センチ違うだけでスタイルが変わるんだ」
「なんでちゃんと試着しないの」
「その時は良くても家に帰ると違うなってことは多々有る事で……」
「無いよ」
Aが「ね、ハンソラ」とオレを見てくる。
……終わってから渡そうと思っていたのに。
サイズをミスした服が詰まった紙袋を、がさごそとベッドの下から取り出すと、Aが「はあ……」と溜息を吐き出した。
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せの(プロフ) - 月さん» ありがとうございます! (2019年5月15日 16時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - なんか、言葉の使い方が素敵過ぎます。 (2019年5月14日 23時) (レス) id: 609dad9df5 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - 神田ニエル。さん» ありがとうございます! (2019年5月13日 15時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
神田ニエル。 - シュアと夢主ちゃんの関係が素敵で禿げますw (2019年5月12日 0時) (レス) id: 4450166156 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - rinさん» ありがとうございます! (2019年5月11日 14時) (レス) id: fc9298decc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年5月4日 20時