2 ページ34
.
これから着なくなるニットやパーカーが店屋に置いてあった頃のように、丁寧に折りたたまれていく。
Aがそれを収納袋のようなものに入れて、クローゼットの隅っこに積みこんでいった。
Tシャツや薄いシャツはだいたい種類や色別に分けてハンガーに通している。
とうにクローゼットの中はいっぱいなので、ホシヒョンと共同で買ったハンガーラックにどんどん掛けられていった。
そうしていると今度はハンガーが足りなくなり、スングァニ達のいる三人部屋から拝借する。
今は、色んな所から出てきた帽子や小物はどうしようかと、Aが悩み始めているところだ。
確かにまあ、ちょっと買いすぎなのかもしれない。
少し反省しなきゃ。
でも、買い物でテンションが高くなったオレは自制心を保てるのだろうか。正直怪しい。
『帽子とかさ、机に置いとこうか。バノニ机使わないでしょ?』
『うん』
『もうさ、インテリア代わりに……インテリア?』
今日何度目だろう。
またAが表情に虚無感を漂わせた。
「考えるな、考えるな」と口に出して、ぶるりと頭を振る。
よかった、正気に戻ってくれて。
『A、BGMはいる?』
『いいね』
『任せて任せて』
スピーカーにスイッチを入れて、スマホから曲を流す。
テンションが上がって歌い始めれば、『良い曲だね』とAが笑うから気分が良い。
Aが部屋に入ってきてまだ一時間しか経っていないのに、オレとホシヒョンの部屋には入居以来の秩序が戻ってきている。
相変わらず手際が良い。
半年に一度やってもらってるんだから当たり前か。
「出来るだけAの手をわずらわせないように頑張ろう」と、オレがこないだ片づけに費やした一時間は全く意味が無かったように感じる。
色々と見つけ出しては掘り返したせいで、むしろ逆効果だった気がしなくもない。
今度からは最初からAに任せた方が良さそうだ。
.
1617人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
せの(プロフ) - 月さん» ありがとうございます! (2019年5月15日 16時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - なんか、言葉の使い方が素敵過ぎます。 (2019年5月14日 23時) (レス) id: 609dad9df5 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - 神田ニエル。さん» ありがとうございます! (2019年5月13日 15時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
神田ニエル。 - シュアと夢主ちゃんの関係が素敵で禿げますw (2019年5月12日 0時) (レス) id: 4450166156 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - rinさん» ありがとうございます! (2019年5月11日 14時) (レス) id: fc9298decc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:せの | 作成日時:2019年5月4日 20時