検索窓
今日:7 hit、昨日:130 hit、合計:874,130 hit

バーノンと片付け ページ33

バーノン視点




オレとホシヒョンの部屋を見て、反射的にAが目を瞑った。



二人部屋には服が散乱している。

あっちにはジーンズ、そっちにはパーカー、こっちにはTシャツ。



さすがにシャツをソファに投げておいたのははまずかったかもしれない。
Aが持ち上げると皺になっているのが見えた。

何日置いといたかはもう覚えてないけど、せめてハンガーに掛けるべきだったかな。



まあそのスペースもほとんど開いてないんだけど。





『これ全部洗ってある?』

『ホシヒョンもオレも、着たやつは全部洗濯機に入れるから大丈夫』

『じゃあ綺麗だね』

『多分』

『多分か』





「うーん」とAがシャツの皺を伸ばした。





『アイロンは?』





今度はオレが「うーん」と唸る番だ。



アイロン、あった気がする。
ホシヒョンが一度だけ使ってたのを見たから、この部屋のどこかにはあるんだろう。




あの時のホシヒョンは確か、ピンクのアイロンを指差して「ダイヤルをどこに回せばいいかわかるか?」とオレに聞いてきた。

勿論オレが解るはずも無く、結果ちょっとしたバーベキューを部屋で始めることになる。



これは誰かに言うと絶対怒られるので二人だけの秘密にした。

さすがにAにだって言いにくい。





『他はともかく皺になっちゃうのはさ、最初からクリーニング出した方が良いんじゃない?』

『今度からそうするね』

『前にも言ったけど覚えてる?』

『初めて聞いたけど?』

『まったくこの子は、三回目だよ』

『あらら』





そんなに言われてたなんて知らなかった。

仕事の注意は絶対忘れたりしないのに。



もしかして……Aがオレに言ったつもりでいるだけなんじゃないのか?

あ〜、絶対そうだ。



まったく、これだからAは。




「やれやれ」と肩を竦めながらオレがベッドに座っている間、Aが黙々と部屋の中を整えていく。


オレのやる事と言えば『これはどっちの?』と服を持ち上げるAに、『オレの』と答えるか、『ホシヒョンの』と答えることくらいだ。


.

2→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (723 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1617人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , 男装
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

せの(プロフ) - 月さん» ありがとうございます! (2019年5月15日 16時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - なんか、言葉の使い方が素敵過ぎます。 (2019年5月14日 23時) (レス) id: 609dad9df5 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - 神田ニエル。さん» ありがとうございます! (2019年5月13日 15時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
神田ニエル。 - シュアと夢主ちゃんの関係が素敵で禿げますw (2019年5月12日 0時) (レス) id: 4450166156 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - rinさん» ありがとうございます! (2019年5月11日 14時) (レス) id: fc9298decc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:せの | 作成日時:2019年5月4日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。