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不調の一つや二つを抱えてしまう事はしょうがない。
オレだって、隣に座るウォヌだって何かしらあるだろう。
だけど、それが不摂生から来るものだとすれば見過ごすことはできない。
誰かが欠けて困るのは紛れもなくオレ達で、気に病むのは当の本人だ。
HS「まあ、いろいろ手伝って貰ってるオレが怒る筋合いなんか無いんだけど」
_「別にスニョンのせいでもないし、忙しいせいでもないよ。ただこう……何と言ったらいいか……」
HS「なんだよ」
_「波があるんだよ、定期的にあるっていうか……説明が難しいな」
WN「慢性的な?」
_「いや、そうじゃなくて」
言葉に悩むAが腕を組んで下唇を噛む。
ウォヌが「気圧の変化?」と聞き、Aが「それはウォヌだろ」と返した。
腕に滲んだ汗をタオルで拭き取り、ウォヌとAのやりとりを眺めていると、練習室に入ってきたときのAを思い出す。
そういえば、あそこまで不調を表に出すAも珍しい。
具合が悪い時は無理をしないタイプではあるけど、あそこまで悪いのになんでわざわざ練習室まで来たんだろう。
いやジュニに引き摺られてはいたけど、ジュニだって病人をそっとしておく優しさは一応持っている。
とすれば、ここに来るという意志を見せたのはAのはず……
口ぶりからするとこうなるのは初めてじゃないらしいが「それじゃあ今まで健康体を装って過ごしていたのか」と思うと、少しだけムッとしてしまう。
言えばいいのに、オレに言ったところで調子が良くなるわけじゃないけど。
それでもちょっとは気にかけてやれる。
_「ホシさん、目が10時10分に」
HS「お前さあ……」
_「拗ねてる?」
HS「なんでだよ」
_「なんとなく」
HS「……ウォヌ、休憩終わるぞ」
WN「おう」
HS「A、お前はメンバーの拍子ズレてないかチェックして、出来るだけタイミングの修正頼むわ」
_「了解」
ひらひらと手を振るAにタオルを投げて返す。
ウォヌは「んー」と腰を伸ばし、ほとんど一人で飲んだペットボトルを置いて立ち上がった。
とりあえず、説教は後回しだ。
シュアヒョンと、スンチョリヒョンを味方に付けよう。
ハニヒョンは……ハニヒョンがいると面白くなるからダメだな。
今は目の前の事を片付けようと、腹の中から大きな声を出して集合の号令をかけた。
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せの(プロフ) - 月さん» ありがとうございます! (2019年5月15日 16時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - なんか、言葉の使い方が素敵過ぎます。 (2019年5月14日 23時) (レス) id: 609dad9df5 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - 神田ニエル。さん» ありがとうございます! (2019年5月13日 15時) (レス) id: 3e57787c43 (このIDを非表示/違反報告)
神田ニエル。 - シュアと夢主ちゃんの関係が素敵で禿げますw (2019年5月12日 0時) (レス) id: 4450166156 (このIDを非表示/違反報告)
せの(プロフ) - rinさん» ありがとうございます! (2019年5月11日 14時) (レス) id: fc9298decc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:せの | 作成日時:2019年5月4日 20時