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WONWOO side
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ドアの前で立ち竦むジフンの元に駆け寄ると
まるで最悪の映画でも見ているような
酷い光景が目の前に広がっていた。
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ケイを抱きかかえて
呼びかけても顔をたたいても
意識が戻ることはなくて
ただ必死に救急車を呼ぶための番号を
携帯に打ち込む。
でも、手が震えてなかなか打てない。
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人が目の前で死ぬかもしれない状況なんて
今までにあっただろうか。
いや、あってはならないのに。
怖くて怖くてたまらなかった。
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ケイをみて動揺したスングァンが
泣きじゃくりながら
必死にケイの名前を呼ぶ。
だから練習室に残れって言ったのに。
こんな最悪な状況、見せたくなかったのに。
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こんな最悪な状況
本当にあるなんて思ってなかった。
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“動かせそうならすぐに救急車で運べるように
外に出ておいてください”
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電話口でそのようなことを言われて
ケイをおんぶしようとする。
…そうだ、服を着せなきゃ。
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辺りを見渡すと
きっとたくさん争ったであろう
ボロボロになったケイの服が
しわくちゃになっておかれていた。
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本当に、吐きそうなほど酷い奴らだ…。
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自分が来ていたパーカーをケイに着せて
ぐったりとした体を背中に乗せる。
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WN「スングァナ、俺はケイを救急車にのせて
病院についていく。
練習室に戻ってみんなに伝えてくれ。
…できるか?」
SG「…っはいっ…わかりました…!」
WN「大丈夫だからな。落ち着いて。」
SG「…っ死んじゃったり、しないですよね?」
WN「大丈夫。…大丈夫。」
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不安そうなスングァンの頭をぽんぽんとなでて
背中のケイを気にしながら
事務所の外に出た。
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すごく軽くて小さくて
こんな体で
どれだけ辛い思いを抱えてたんだろう。
なんで誰にも言わなかったんだ。
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あのアザの範囲は
1日や2日でできるようなものじゃない。
きっと、仲良くどこかにいっていると思ってたあれは
毎回こんなひどいことをされてたんだ。
どうして気づかなかったんだろう。
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まだ話したことのないのに
ケイのことを思うと胸が痛くて張り裂けそうだった。
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だんご(プロフ) - もこさん» ありがとうございます;;そう言ってもらえると嬉しいです;; (2020年5月23日 19時) (レス) id: 22b276d96f (このIDを非表示/違反報告)
もこ - いえいえ!楽しんで読ませてもらっています。好きです! (2020年5月20日 21時) (レス) id: 29b5bff5d8 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - もこさん» わ、ほんとですね…!ハンサンじゃなくてファンサンですよね()教えてくださりありがとうございます;; (2020年5月20日 7時) (レス) id: 089449a433 (このIDを非表示/違反報告)
もこ - 間違っていたら申し訳ないんですが最初のページの「幻想」ナムのハングル、幻の字が少し違う気がするのですが…。ここにハングル打とうと思ったらできませんでした。すみません。 (2020年5月19日 17時) (レス) id: 29b5bff5d8 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - 3さん» わあ!初めまして!初コメありがとうございます;;控え目な感じ伝わっててよかったです;;これからもよろしくお願いします! (2019年5月23日 22時) (レス) id: 22b276d96f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:だんご | 作成日時:2019年5月10日 16時