青色に染まれ 2 (ページ8)

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無事次の人にバトンが渡って

『ごめん抜かされたー！』

クラスメイトに謝って悔しがってるAに駆け寄る

「足、痛めてんだろ、いこ」

『えなんでそれ』

「俺もAで分かんないことないから」

戸惑うAを背負って保健室に向かう

『なーんだ、分かってたんだ』

「助けてやりたかったけど

Aは嫌がるでしょ、最後まで走るって」

『そんなことまでバレバレなのね笑』

背中越しに伝わる震えで

泣いてることに気付いて

「よくがんばったな」

俺の首に回す腕の力を少し強めたA

『痛かった

でも足引っ張ってるし、

私のせいで棄権なんて絶対やだ』

頑固で意地っ張りで

絶対意志を貫くAだけど

この強さに

何度も支えられて

この強さに

何度も助けられて

だから俺は

「好きだよ」

Aを好きになった

『え？』

「俺と付き合ってくれない？」

『え、ちょ、』

「勝ったらお願い、聞いてくれるんだろ」

ずるいことくらいわかってる

だけど

今この瞬間

どうしようもなくAが好きだ

「返事聞かせてよ、足治ったら」

『そんな先でいいの』

「じゃあ今聞かせてくれんの？」

『うん』

保健室に着いて先生がいないベッドにAを座らせる

『私は薫のこと、』

その言葉を聞く頃

体育祭は終わりを迎えて

外はオレンジの夕日に照らされている

保健室の窓から差し込む光に

重なった2人の影が映し出された

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