11. ページ11
.
すでに観覧席はほぼ満席だった。
観客の生徒たちは、
「チェ・スンチョル♡」「ファイティンスンチョル」
などと書かれた色とりどりのプラカードを沢山持って、選手が入ってくるのを今か今かと待っている。
アイドルのコンサートみたいだ。
最前列に、２組の女子たち数名と座っているパクさんを見つけた。真剣にコートを見つめている。
私とソヨンは目立たないように、観覧席の一番後ろにある柱の横に立って観戦することにした。
選手が入ってきた。
ユニフォームを着たスンチョルくんがコートのなかにやってくると、女の子たちの黄色い声が体育館に響いた。
私は大変なひとを好きになってしまったんだ。
チェ・スンチョルコールが鳴り止まないなか、笛が吹かれて試合が始まった。
真剣な表情でスポーツをする姿って、なんでこんなに輝いてみえるのか。
スンチョルくんがパスをしようがドリブルをしようが、シュートをしようがすべて歓声に包まれる。
本人はものすごく恥ずかしいようで、やりにくそうだった。
照れくさそうにしながら、白い肌に滲んだ汗が妙に色っぽくてドキッとする。
２組のチームはみんな背が高く、すぱすぱシュートを決めて６組に圧勝した。
試合終了直後。
観客席の最前列にいるパクさんたちがプラカードを揺らしながら「スンチョルーー！！」と叫ぶと、スンチョルくんはパッと顔をあげ、ニコニコと、あの陽だまりのような笑顔を彼女たちに向けて手を上げた。
チームの上級生たちが、彼をひやかしてからかった。
スンチョルくんは笑いながら、まだ誰かを探すように観客席を見上げている。
次の試合も見たいけど、さすがにサッカーも応援しに行かないと。
行こっかとソヨンとアイコンタクトをして、移動しようとしたとき
スンチョルくんと、バチンと目が合った。
胸がドクンと跳ねる。
スンチョルくんは、あっと驚いた顔をしたあと、微笑んでくれた。
私はドギマギしながら、グラウンドに向かうため体育館を後にした。
パクさんたちが、こちらを振り返って見ていたのを目の端に感じた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
bonpom(プロフ) - diva05さん» 嬉しいコメントありがとうございます！もどかしい2人が後半どうなるか楽しみにして下さると嬉しいです♡最後まで頑張ります！ (9月5日 23時) (
レス) id: 9a606ef179 (このIDを非表示/違反報告)
diva05(プロフ) - 毎回の更新楽しみにしています！ようやく2人の感じが動き出して続きが気になります♡ (9月5日 22時) (レス) @page45 id: ef3d85c571 (このIDを非表示/違反報告)
bonpom(プロフ) - Natsukiさん» コメントありがとうございます！お好みに合って嬉しいです♡自分で書いていてもチョルくんがなかなか気付かないのでヤキモキします笑。たくさんキュンして頂けるように頑張ります♡ (9月5日 22時) (レス) id: 9a606ef179 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki(プロフ) - お話が自分のドタイプすぎて主様天才…？と思いながら読ませて頂いてます笑ジスハンホシギュに守られクパンに取り合われは最高すぎる、、チョルに早く気付いて欲しいです( ･ᴗ･̥̥̥ )これからも楽しみにしてます！キュンをありがとうございます♡ (9月4日 16時) (レス) @page38 id: 1445cdbb12 (このIDを非表示/違反報告)
bonpom(プロフ) - yuyu83701920088さん» コメントありがとうございます！大好きと言って頂けてとっても嬉しいです♡♡最後まで楽しんでいただけるように頑張ります！ (9月4日 16時) (レス) id: f1b923e110 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：bonpom
| 作成日時：2023年7月31日 15時
