ぶきようなにんげん２ (ページ6)

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『でも、最初に約束してたのはジスくんなんだよ？今日の主役を一人で帰らすなんて、なんてことするの』

「それは、あとで謝る。でも、ジスヒョンと並んでるヌナを見ると、居ても経ってもいられなくて…」

『…随分と離れた間に”マテ”もできなくなっちゃったの？』

「ちょっと、犬扱いしないでよ」

『するよ、今のミンギュは完全に犬だもん』

「…」

私の手を握り締めながら俯き項垂れる、完全に怒られてしょんぼりしている犬だ。

ふと外の景色を見ると、家までもうすぐのところまで来ていた。

『…きちんとジスくんに謝っておいてね、私からも言うけど…』

「ジスヒョンと連絡とるの？」

『当たり前でしょ、今日のお礼言わなきゃ』

「やだなあ…」

『何言ってんの、』

「ジスヒョンでも、連絡されるのは少し嫌だ…」

『はいはい、じゃあ今日はここまでね、はいお金』

「いや、いいよ！持ってて！」

『よくないよこれ、ジスくんから預かったんだから！』

「俺が出しておくから！」

『…はあ、とりあえず降りるけど、あとでちゃんと金額教えてね。』

「いいよそんなの」

『私はよくないんだってば、ミンギュにお金出される意味がわかんない』

「好きだからじゃだめ？」

『そんなのもっとダメでしょ、いい加減にして』

「ヌナ…」

『私の目の前に現れるのはいいけど、余計なことはしないで。私だってプライベートってものがあるんだから』

「ごめん…」

『そんな好きだからとか軽い気持ちで近寄られても迷惑なだけだから』

「…」

『私と会いたいなら連絡して、予定が空いていたら大丈夫だから、金輪際こういうことはもうやめて』

「ヌナ、冷たくなったね」

『あのね、人として当たり前のことを言ってるだけでしょ』

「やっぱり、ヌナの特別になりたい」

『特別な目では見れない、以上。』

送ってくれてありがとう、おやすみ、そう言ってタクシーから降りる。

言い方も少しきつかったかな、と思ったけど、最後の最後で邪魔されたんだもん。本来ならもっと怒っている案件だ。

ジスくんもジスくんで、引き留めてくれたっていいのに……私のこと好きとか言っておいて、そういうところで身を引くのがジスくんらしいけど。

家に着いてすぐにジスくんへ連絡をする。ミンギュのせいで、嫌な別れ方になってしまったことを謝らなきゃ。

さっきはごめんなさい、今日はありがとう、とメッセージを送れば、
こちらこそありがとう。素敵な誕生日になったよ^^と返ってきた