ぶきようなにんげん２ (ページ2)

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『…ごめんね、お待たせしました』

「うん、大丈夫？」

『トイレの場所がわかりずらくて…』

「そうなんだ…、Aちゃん、もしかしてもう酔った？顔が赤いけど…」

『えっ？そう？あー、酔ったのかもしれない…あは、』

最低だ。何顔を赤くしているんだ自分は。

こんなのただの、

『…ジスくん』

「ん？」

『…なんでもない、』

「そう？」

こんな私のどこが好きなの？って、聞きたかった。

どうしてこんな私に優しくしてくれて、喜んでくれるんだろう。

自分では、自分のいいところが見つからないよ。

＊＊＊＊＊＊＊＊

「…大丈夫？」

『っえ？うん、大丈夫大丈夫』

「Aちゃん…、もしかしてミンギュのこと考えてる？」

『え？あ、や…そんなことはない…』

「ミンギュと何かあったの？最近」

『どうして…？』

「…ごめん、ハニから聞いた。また２人が連絡取ってるって」

『そう…、でも何もないから。前みたいに戻ったわけでもないし』

「あはは、抵抗しすぎ」

おかしい。なんでこんなにジスくんに必死になって弁解しているんだろう。

別に仲良くしてたってジスくんには関係ない？ジスくんを悲しませたくない？

「…だから僕は、少し焦ったけどね」

『え…？』

「またすぐにミンギュのものになってしまうって考えたら胸のざわめきが治まらなくて…」

『ジスくん…？』

「ミンギュに、Aちゃんをとられたくなかった」

『ジスくん…』

ふと目線があった。

ジスくんはあの大きな瞳で真っ直ぐ私を見つめてくれていた。

コップを持つ手に力が入る。私、今ジスくんから想いをぶつけられているんだ。

でも、

『ジス、くん…ごめんなさい、』

「…」

『やっぱり今は、付き合うとか、彼氏とか…考えられなくて、ジスくんは大好きだけど、そういう好きかどうかまで…わからなくて、』

「うん、ごめん。今日はこんなこと言うつもりじゃなかったんだけどな」

『ジスくんは好き、大好き。けれど、ジスくんの好きと私の好きは、違うと思う…』

「うん、わかってるよ。先輩としてのジスなら、好きになってくれるんでしょ？」

『うん、そう、そうなの。ごめんなさい』

「謝らないで、Aちゃんは何も悪くないから。素直な気持ちを教えてくれてありがとう。」

『う、うん…ジスくんも、気持ちを教えてくれてありがとう』

「これからも仲良くしてくれる？」

『それ、私が言いたいよ。仲良くしてくれる？』

「…もちろん。」