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衝撃の事実を電撃発表されてから1ヶ月のうちに、デビューの準備は迅速に進められた。

元々グループでのデビューを望んでいたのだから、あの場で私が声をあげることもできたのかもしれない。

でも、その必要がないって感じた。

私は、私が作った曲で、私のペンに囲まれて公演がしたい。

その目標に当てはまるなら、グループでなくてもいいのかもしれないって。

SiLiusみたいな家族はもうできないし、あんな思いしたくなかった。

なにより、今の状況にしっくりきている自分がいたから。

オンマや親戚一同、みんなすごく喜んでくれた。

Bighitではもう脅迫文に脅されることも、私の意見が通らずに物事が進むこともなくて。

兄であることはそのうち公表する必要があることを話し合った上、本名での活動だって許してくれた。

BigHitから新人歌手がデビューするという記事が出て、世間は期待を膨らませている。

曲やコンセプトはどうなのか、ビジュアルはどうなのか。

期待に添えるかはわからないが、歌声で驚かせる自信はある。

会社と契約を結び、先輩方に挨拶をし、そしてMVが公開された。

いよいよデビューの実感が湧いたが、私は反応を見ないようにしている。

そんなことを気にしているよりも、今から行うショーケースの集中したかったから。

会場は約5000人規模。

新人歌手としては異例の大きさだ。

ありがたいことにチケットも完売したらしく、開始するまでの時間、言葉には表せない気持ちに包まれる。

公演前、兄たちもこんな気持ちなんだろうな。

スタンバイしながら、1人で考えた。

ショーケースは、デビュー曲のパフォーマンスから始まる。

会場が暗くなり、ざわめきが聞こえた。

イヤモニから、カウントを告げる声が流れ、デビュー曲【About Me】のイントロとともにステージに出る。

暗い会場の中、私1人にスポットライトが当たる。

はじめは、眩しくて目を開けるだけで精一杯だ。

イヤモニを通して、微かに歓声が聞こえた。

私1人に向けられた、私に対する歓声だった。

鳥肌が立ち、自分が自分でなくなるのを感じた。

歌い出し、息を吸うその瞬間。

スポットライトの向きが変わったのか、会場全体が見えた。

奥の方まで、人でいっぱいだ。

手前の人の、期待するような、驚くような表情ひとつひとつが鮮明に見えた。

“ステージの上では、視力がいつもの100倍くらいになる”

いつだったか、ディノ先輩の言葉が頭に浮かんだ。

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!?(プロフ) - え、なんでこんな残酷なんだ……えぇ…ぇぇぇ… (2023年1月30日 21時) (レス) @page16 id: f95a2e532b (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - まるさん» 外し忘れてましたね。申し訳ないです (2023年1月9日 17時) (レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ‘フラ立ってますよ!外して下さい! (2023年1月9日 16時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千笑 | 作成日時:2023年1月9日 14時

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