155cm【SEVENTEEN】part2 (ページ29)

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デビューさせたい、とは言われたものの、もちろんそんなにすぐにデビューなんてできない。

契約の際デビューを前提に、ということだったが、まずは練習生として過ごすことになった。

BigHitでは、女子練習生が私だけなのもデビューできない理由の一つだ。

男子練習生はpledisと変わらないくらい大勢いたが、女子グループをデビューさせる予定はなかったようで、デビューまで練習生を集めて、どれだけ時間がかかるのかと不安になった。

同じHYBEビル内だけあって、所属アーティスト(もちろんseventeenも)、他の会社の練習生ともよく会った。

シウに会えたのには驚いたけれど。

シウは、来年までにはデビューできるかもしれないと話していた。

すでに、ボーイズグループがデビューする予定が出ているそうだ。

練習については、今はBigHitの基礎練が中心。

ここまで大手の事務所はpledis以来久しぶりだったから、新社屋の新しい設備にもわくわくしっぱなしだ。

私自身振り付けを覚える速度だったり、単純なうまさも前とは違って、練習にも余裕ができた。

女子が私だけのため月末評価はない。

だからこそ、日々の練習の全てが評価につながっていると思うと緊張の毎日だった。

それでもだいたい、4ヶ月が経つころにはシステムや練習に慣れてきて、ひとりの練習生活も苦ではなくなった。

会社が用意してくれた宿舎は私1人で使うからすごく快適だし。

ひとり、というのも案外悪くないと思い始めた。

だけどこの4ヶ月、だれも女子が入社して来ないことに違和感を感じていた。

元々、女子練習生は所属させる予定なんてなかったんだろうか。

だとしたら、なんで私はスカウトされたんだろう。

1人女子を所属させたんだったら、ふつうはそれから女子練習生を募集するはずだ。

その不安をシウに話すと、シウはニヤリと笑った。

「何で笑うの。」

「いや？別に。まあさ、そんな不安がることないんじゃないの？4ヶ月もやって来れたし、ジウニもシステムに不安は感じてないわけでしょ。そのまま走ればいいよ。」

「そんなこと言ったって、1ミリも先が見えないんだから不安になる。」

「まあまあ。」

何かを知っているような含みのある言い方をするシウにだんだん腹が立って、虫を見るような視線を向けるとしゅんとした。

この気の弱さでどうやって3年も練習生やってきたんだか。

「あいしっ、もういいや。考えてもしょうがないし。」

結局考えることをやめるのが、いつものパターンだ。