155cm【SEVENTEEN】part2 (ページ28)

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BigHitに正式に所属したのは、翌年一月のことだった。

その後一年間、大きく話題となるとなるガールズグループ達がデビューする頃だ。

元々は釜山に帰省するつもりだったが、契約の話し合いで少し遅くなり、年が明けてから実家に帰った。

兄は新年早々ソロ曲を出したから、釜山には戻ってこない。

両親や親戚、そしてハナはすごく喜んでくれた。

なんと言っても、あのBTSが所属する会社だ。

ソウルでまた忙しくなるからと、大量のご飯を詰め込まれ、多額のお小遣いももらった。

少し前までは嫌っていた、この親戚一同の団欒の光景を幸せに感じた。

釜山を去る際、両親が駅まで見送りに来てくれた。

父は車の中で待っていると言って、

「応援してるぞ。」

と一言声をかけると、駐車場に向かっていった。

父の目尻に光っているのを見つけたが、何も言わなかった。

高速鉄道までの時間、母とベンチに座って話をした。

「ジウナ、よく頑張ったね。えらいね。」

母は、どんな時でも私を支えて、味方になってくれた。

初めてソウルに行った時、寂しがった私に気づいて毎日電話をしてくれた。

私が練習生を辞めようかと思い詰めた時、帰ってきていいよと声をかけてくれたから頑張れた。

やむを得ず一度釜山に戻ってきた時、何も言わずにただ抱きしめてくれた。

耳が聞こえるようになった時、もう一度事務所に所属することが決まった時、誰より喜んでくれた母。

私が無理したとき、優しく叱ってくれた母。

また、この温もりを離れなければならないと思うと、抑えきれない寂しさが溢れた。

母も今回ばかりは涙が出るようで、2人で抱き合って泣く。

「もうちょっと、最後にちょっとだけ頑張ろうね。いつでも、かあさんはここで待ってる。辛くなったら、帰っておいで。私の自慢の娘。」

これから、まだまだ辛いことはたくさんあるだろう。

デビューしたら、今よりももっと辛い日々が続くのかもしれない。

でも、帰ってくる場所があると、母がいると思えば、どこまでも頑張れる気がしていた。

「オンマ、ありがとう。頑張るね、絶対にデビューして、オンマがもっと自慢できるようにするね。」

お母さん、愛してる。