155cm【SEVENTEEN】part2 (ページ25)

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ジョンハン先輩と作った楽曲、DREAM。

先輩初のソロ曲ということで、caratの反応はすごく熱かった。

あの後、先輩は自信をつけるためのものだったと誕生日の配信でcaratに説明したみたいで、言わなくていいのに正直に披露してしまうところまで先輩らしいと思った。

DREAMのリリースに伴い、少しだけ私も話題に上がっていたようだ。

作詞、作曲で先輩の次に名前が並んでいるのを見ると、いまだに口角が上がる。

私はと言えば、夢に向かって一歩前進しようとしていた。

オーディション番組に合格したのだ。

無所属で受かるはずないと思っていただけに、驚きと嬉しさは大きかった。

だけど、その後連絡が来た時に

“seventeenウジの妹で間違いないか”

と聞かれて出演を断念した。

オーディション番組は投票でデビューが決まる。

兄の名前を出してしまったら、デビューこそ確実だがその後の批判は免れないだろう。

何度も何度も、妥協を重ねたのにも関わらず夢を壊されてきた。

だから、今度は妥協しないって決めてるんだ。

いろんな芸能事務所のオーディションを受けても、高校三年生、この年で受かることなんてそうそうない。

seventeenの場合が特殊だっただけだ。

頑張ってバイトして、そのお金でダンススタジオを借りて練習することの繰り返し。

実力は上がっているのに、オーディションには受からない。

もう成人しているわけだし、それも想定内だった。

だから最近は、自分の力でどうにかしようと思ってる。

匿名でYoutubeに曲をアップしたり、路上ライブしてみたり。

2021年の終わりかけ、私が帰省する前日だった。

その日も、私は路上ライブをしていた。

立ち止まって聞いてくれる人は十数人、年末で冷え込んでいるからか、いつもよりちょっとだけ少ない。

この日は、新しいことをしてみたい気持ちになっていたから。

いつものマイクではなく、知り合いにヘッドセットを借りた。

前日に考えた、振り付けも合わせて歌おうと思ったからだ。

歌だけで売るんじゃなくて、歌って踊りたかった。

まずは喉をほぐすつもりで、数曲歌った。

寒い日だから、カバー曲も、オリジナル曲も、歌い終わるたびに拍手をいただけるのが励みになる。

そろそろ体を動かさないと凍え死にそうだ。

マイクをヘッドセットに変えて、準備運動としてストレッチをする。