155cm【SEVENTEEN】part2 (ページ2)

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「“なんか似てんだよなあ”」

「え？」

その子から初めて聞いた日本語、早すぎて私には聞き取れなかった。

「“なんですぅか？”」

「えっと、せぶんてぃん、しってます？」

seventeen。

知らないはずがない。

もしかして、気づかれたんだろうか。

「“はい。せんぱいです”」

「その、にてる？にてます！せぶんてぃん！」

似てる。

やっぱり顔を見てなにか気づいたようだった。

私と兄は目がそっくりで、特に今はマスクをしているから目以外に顔の情報がない。

私から見てもそう思うほど、兄とそっくりである。

「“おー、ありがとごじゃいます”」

嘘ではないと思うよ、私。罪じゃない罪じゃない。

しばらくしてその子が呼ばれた時にはまた一気に緊張が戻ってきたようだったけれど、去り際に小さくガッツポーズをし合った。

なぜか、あの子は絶対合格する気がした。

「え？

不合格、ですか。」

釜山で年末の準備をしていた頃にかかってきた、一本の電話。

前より上達したから落ちるはずがないと心のどこかで思っていただけに、ショックも大きい。

落ちた。わたしはこれからどうすればいいの。

放心状態で話を聞いていると、新人開発チームの方が思いがけないことを口にした。

“3日後、ソウルに来れますか。ある方からオファーが来ています。”

「わかりました。」

もちろん、即答だった。

どんなチャンスでも逃してたまるものか。

「うちにぜひ、来てもらいたい。」

そう話を持ちかけてくれたのは、少し名前を聞いたことがあるくらいの会社だった。

特に目立つグループを輩出したわけでもないけれど、赤字ギリギリというわけでもない。

pledisに比べればいささか将来が不安な会社ではあったものの、もう他に行くあてがない私はその場で入社を決断した。