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「ジウナ！」
黒いバンから降りてきた兄の声は、かすかに焦りが滲んでいた。
ずっとそばにいたくれた男性に兄妹そろってお礼を言い、兄に介抱してもらいながらバンに乗り込んだ。
「みあん、仕事中に､､､」
「別にいいっつってんだろ。それより、俺辛いなら釜山に帰れって言ったよな？」
心配していた声音から一転、完全に怒っている兄。
私が黙っていると、深くため息をつく。
「まじで体壊したら、元も子もないってあんなに､､､もうほんと勘弁してくれ､､､」
本気で心配してくれたのだろう。
泣きそうな兄の声音を聞き、止まった涙が溢れそうだった。
最近、泣いてばかりだな。昔に戻ったみたい。
その後も事務所に着くまで兄のお叱りをたっぷりと受ける。
年末で、明日からは練習が休みの帰省期間ということもあり、今日中に準備をして明日の朝に兄と釜山に帰ることとなった。
高級なバンで送ってもらったおかげか、わたしの足も幾らか回復したようで。
軽い肉離れだと考えられるため、1週間ほどは歩きにくい気がする。
せっかくな帰省だ。
流石の私も、なるべく歩かないようにしようと心に誓った。
事務所に着くと、外でドユンとハユンが待っていた。
どうやら2人とも兄を通じて連絡を受け、迎えにきてくれたようだった。
シウとジヨンは、
私がそう聞くと、ハユンは諦めたように首を振った。
当たり前だろう。あんなに酷いことを言ったんだから、許してくれるはずがない。
2人に対する罪悪感がもう一度胸を侵食していると、兄が背中を叩いた。
「いたっっ。なに？」
「考えんな。早く準備してこいよ。」
兄なりの気遣いとして受け取ることにしてバンを降りた。
「先輩あにょはせよ！すごくペンです！」
満身創痍とも言える私の横をドユンは爽やかに通り過ぎ、後ろにいる兄に声をかけた。
やっと会えた推しだもの。
ハユンの言葉に2人で笑った。
翌日の早朝、私は事務所で借りた松葉杖をついて駅にいた。
兄と帰省するためだ。
あの後宿舎で急いで荷物をまとめて来たのだが、忘れ物はないだろうか。
電車で釜山までは、約2時間の道のりだ。
横に座る兄を見ると、作曲作業をしながらうつらうつら眠そうに首を落としていた。
私は誰よりも兄の作る音楽が好きな自信がある。
兄の音楽は、安心感をくれる。
兄の音楽は、わくわくさせてくれる。
兄の音楽は、新しい世界へと連れ出してくれる。
だから私は、兄のようになりたいんだ。
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千笑 - お待たせいたしました。更新を再開させていただきます。 (2023年1月9日 13時) (
レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - いつも小説を楽しんでいただいてる皆様へ。作者の千笑です。私情により、ログインすることができなくなってしまったため、長期間更新ができないかもしれません。申し訳ありません。状況が改善した時にまたお伝えします。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
Kokuma(プロフ) - めちゃめちゃ好みです！続きが楽しみです。 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 9eeff62ceb (このIDを非表示/違反報告)
こまり(プロフ) - まさかの展開すぎてびっくりしてます。続き気になります！更新頑張ってください！ (2022年12月7日 23時) (レス) @page38 id: e86bc2c528 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 前々から読ませていただいているのですが、読んでてすごく引き込まれるし、読むたびに続きが気になってしょうがなかなってしまいます！！むちゃむちゃ好きです！！いつも更新ありがとうございます‥！！ (2022年12月7日 0時) (レス) id: 6864ce5b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千笑 | 作成日時：2022年10月31日 10時
