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その日の夜、他の練習生も帰ってきて、また日常が始まった。
お決まりの悪口はもちろん、ロッカーにお菓子のゴミが入れられていたり。
「ゴミ箱すぐ横にあるやんけ。てめえらの目は節穴かあほんだら。」
ぶつぶつと方言混じりの悪口を呟きつつ、ロッカーを綺麗にする。
少し変わったことといえば、私の生活がほんの少し健康的になったことだろう。
2時には練習を切り上げることにしているし、練習室で夜を明かすことはなく、毎日宿舎のベッドで寝ている。
食事も、なんとか時間を空けて食べるようにして。
前より筋肉もついて力強い動きができるようになったのはもちろん、体調も崩しにくく、というか普段から悪かった体調が通常に戻されていくのを感じている。
なにより、時間をしっかり決めれば、その分考えて練習をすることができるようになったのが大きいだろう。
時間が限られていることを頭におけば、やるべきことも見えてくる。
前より短い時間で、前より効率的な練習をする。
そんな日々が、また1ヶ月続いた。
月末評価の結果は、12月と変わらない。
けれども私は自分の評価そっちのけで、ジヨンとシウが気になって仕方がなかった。
“カンジヨン 総合21位”
“ミンシウ 総合18位”
ジヨンはまた、最下位だ。
シウも、下から3番目。
いまだに仲直りという行為をしていない私達。
なんと声をかければいいのか分からなかった。
チラリと横目で見てみると、ジヨンは俯いて震えているようだった。
泣いているのだろう。
予測はできたが、私が出る幕ではない気がして、近づくことができなかった。
シウはなんともないように見えたが、もしかしたら、前みたいに悩んでいるのかもしれない。
2人を見ては悶々とする私に気がついたのか、ハユンが代わりにジヨンを抱きしめた。
ドユンも、シウの肩に腕を伸ばし、慰めるように肩を組んだ。
結果の公表に、多くの練習生の複雑な心情が読み取れる中。
スタッフさんが入ってきて、私達に告げた。
「来月の評価は、グループで行います。各自で2人から4人のグループを作り、練習をするように。」
静かだった練習室は、一瞬で混乱状態に。
皆が順位が上の子、振り付けを作るのが上手な子と組もうと必死になってペアを作ろうとしていた。
まあ、もちろん私に声をかけてくる子はいないわけで。
必然的に、私たち3人はペアを組むこととなった。
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千笑 - お待たせいたしました。更新を再開させていただきます。 (2023年1月9日 13時) (レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - いつも小説を楽しんでいただいてる皆様へ。作者の千笑です。私情により、ログインすることができなくなってしまったため、長期間更新ができないかもしれません。申し訳ありません。状況が改善した時にまたお伝えします。 (2022年12月28日 21時) (レス) id: 6154d9208d (このIDを非表示/違反報告)
Kokuma(プロフ) - めちゃめちゃ好みです!続きが楽しみです。 (2022年12月17日 21時) (レス) id: 9eeff62ceb (このIDを非表示/違反報告)
こまり(プロフ) - まさかの展開すぎてびっくりしてます。続き気になります!更新頑張ってください! (2022年12月7日 23時) (レス) @page38 id: e86bc2c528 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 前々から読ませていただいているのですが、読んでてすごく引き込まれるし、読むたびに続きが気になってしょうがなかなってしまいます!!むちゃむちゃ好きです!!いつも更新ありがとうございます‥!! (2022年12月7日 0時) (レス) id: 6864ce5b3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千笑 | 作成日時:2022年10月31日 10時