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母「ごめんね、お菓子のひとつも出せればいいのにこれくらいしか出来なくて。」
深「いえ、突然お邪魔させて頂いたので…お構いなく。」
母が手早くコーヒーを入れて、テーブルにカップを並べる。
うちのソファでは座りきれない人数なので、皆でテーブルを囲んでカーペットに直座りする。
皆高身長なので、3人並ぶとちょっと迫力がある。
けど、それに臆することなく積極的に話しかける母は結構肝が据わっているなと感心する。
…まぁ、女手一つで子育てをしていたら多少は肝も据わるものなのかも。
母「Aがいつもお世話になってるみたいで…ありがとうね?
えっと、妖怪に襲われているところを助けて貰ったと聞いたけど。
貴方たちもAみたいに、見えるのね?」
岩「はい。それについてあの…早速なんですが、今日お伺いしたのは折り入ってお聞きしたいことがありまして。」
母「聞きたいこと…何かしら?」
母は少し怪訝そうな表情をするけど、声色は優しめに問い返した。
深「突然なことで驚かれるとは思いますが、実は俺達も妖怪…妖(あやかし)でして。
Aさんが特殊な力を持っていることが原因で、今危険な目に遭っているんです。」
母「え…、貴方たちが妖怪?
普通の人間の姿のように見えるけど…
それに、私は妖怪の類は見えないはずだわ。」
阿「俺達は妖怪の中でも上位種なので、人間の姿に変化することが出来るんです。
実際、人間に紛れて生活している妖怪は俺たち以外にも既に多くいます。」
母「確かにそういう噂は聞いたことがあったけど…、本当にそうだったのね。
……驚いた。
で、Aが危険な目に遭っているってどういうこと…?それに、特殊な力って…。」
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作者名:fu-ma | 作成日時:2022年5月27日 11時