九者九妖 2 (ページ50)

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岩「いや、そんな急に手のひら返されても…お前らが人間にかなりの犠牲を出してるのは変わらないし。」

そう言う岩本さんはまだ六石会の人たちを疑いの目で睨みつけている。

ジ「ですよネー！
だから俺らは俺らで、勝手ながらこの戦闘からは離脱させてもらうことにしたけど。

この後はどっちにも加勢しないから、俺らに関しては安心してくれていいよぉ。」

そう言うと、彼らは早々にここではないどこかへ歩き出そうとした。

…でも、やっぱり気になる。松村くんはどうなるの？

『ちょ…ちょっと待って！！

なんで…！私を生かして、貴方達はいいの？

松村くんは…この後どうするの？』

勇気を出して彼らを引き留め、疑問に思っていたことを口に出した。

すると、松村くんではなく…田中さんが口を開いた。

田「…俺らはね、6人でひとつなの。

君と北斗が過ごした時間より、俺らはもっとずっと長く一緒に居たんだよ。

いくら主張を違ったとしても北斗だけが欠けるなんて有り得ない、考えられない。6人一緒に生き延びる事が最優先事項だから。

…俺もさ、あの時君の言葉を聞いてちょっと思ったんだよ。

一度は、人間の言葉を信じてみてもいいんじゃねぇか？って。」

森「あ、俺とジェシーは6人が生き残れる道があるなら割と何でもいいんだけどねぇ？」

髙「ま、大我もそこは変わんないってことで。」

すると他の5人に隠れていたのか、1番後ろから…少しシュンと肩を落とした様子の京本さんが顔を見せた。

京「ん…。

まぁ人間を殺してたのも、俺達の住処を守るためだったから…

人間がこれ以上環境破壊を続けないんなら、考えてやる。

ただし、あの百鬼夜行は俺達にも止められないから。そこはお前らでなんとかしなよ。」

そう言ってぷいっとそっぽを向いてしまった。

敵じゃなきゃ、可愛らしい雰囲気もある人なのに。

こういう出会い方をしてしまったことが切なくなった。