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僅かな力を振り絞って顔を上げると、松村くんの目をじっと見据えた。




『松村くん、私…



今のあなたは信じない。




私は、今まで貴方と過ごした時間を、

信じてるから…!』




そう、力を振り絞って言うと、涙が一筋頬に伝う感触がした。




松村くんは手を私に向けたまま、暫く微動だにしなかった。

私も松村くんから目を逸らさないまま、涙を流した。





松「なんで。




どうして…?




こんなにボロボロになっても…




君はどこまでお人好しなんだ…!?」




『誰にでもって訳じゃ…ないよ、



ほら、私って友達少ないじゃん…?笑



だから、友達にだけ…だよ。』





もう、前を向く気力がない。
項垂れて下を向いたまま絞り出すように話した。




北斗くんは、暫く言葉を発さなかったけど、少し経ってから私の胸元に翳していた手を降ろした。





京「ちょっと北斗?

まさかここまできて怖気づいたとか言わないよね?」



松「俺は…


俺には、この子は殺せない。



大伴さんとは、大学に入ってからの付き合いだったけど

短くない時間を過ごした。



人間には間違いなく怨みを持っていたけど、

大伴さんみたいに心の美しい人間も居るんだって…分かったんだ。



そんな罪も無い人も含めての皆殺しは…やっぱり俺には出来ない。」


ジ「あらぁ、情が湧いちゃったかな?


…それとも、これもその子の"力"ってやつなのかな?」


京「…ち、長く一緒に居すぎて絆されたか。


でも、北斗。お前がトドメを刺せなくても、"百鬼夜行"はやってくるからね?」




"百鬼夜行"…


それが、この人たちが言っていた各地の妖による襲撃のことだろうか。




『松村くん…それって、もしかして……』


松「……うん。夜になったら、

日本中の、人間に恨みを持つ妖達が総攻撃をしにここへやってくる。

俺がここで君を殺せなくても、いずれここに居る君達は皆死ぬ。」

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作者名:fu-ma | 作成日時:2022年5月27日 11時

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